昨日のお言葉 「頑張るように」

~ 昨日のお言葉 2012年5月11日 ~

「頑張るように」

頑張るように!と元気よく読んではいけないお言葉らしい。

お言葉の主は野田佳彦首相。「ト書き」はこうだ。「と人ごとのように指示しただけだった」産経新聞≪特例公債、原子力規制庁、選挙制度改革 政府、重要法案棚ざらし≫(2012年5月11日)が伝えた。

なぜ総理は元気に語ってほしいお言葉を、「人ごと」のように語ったのか。

【前提その1】

野田内閣の支持率低迷を受けて、このところ自民党は「解散総選挙」の声を高めている。

【前提その2】参院で問責決議された田中直紀防衛相と前田武志国土交通相が辞任しない限り、自民党は衆議院の「社会保障と税の一体改革特別委員会」(消費税増税関連法案を話し合う委員会)以外での審議を拒否している。

で、審議できずに棚ざらしになっている法案にどんなのがあるか、ということが産経新聞記事のメインテーマで、

◇今年国が使う予定のお金のうち4割は借金(国債)だが、その借金をするための根拠となるのが特例公債法案。これが通らないと、夏過ぎには国の財布が空っぽになるかも。

◇原子力規制庁設置関連法案も手つかず。このままでは原発再稼働はおぼつかない。夏の電力ピークどころか、冬も停電が起きる恐れが出てくる。

そのほかにも国民年金法改正案、共通番号制度関連法案など懸案の法案があると紹介した上で、驚きの棚ざらしが明らかになる。

国会審議がストップしていると、解散すらできない。

というのも、「一票の格差」是正などの衆院選挙制度改革関連法案も、まとまる気配がないからだ。最高裁は一票の格差が違憲状態にあると指摘しているから、強引に解散総選挙しても、選挙無効という事態にもなりかねない。

ここでいよいよ「内閣総理大臣野田佳彦くん」の気のないお言葉が登場する!

首相の解散権をしばる可能性もあるが、9日の政府・民主三役会議で首相は「頑張るように」と人ごとのように指示しただけだった。(同記事)

政治家って、頭が悪いんだか、いいんだか、わからなくなる。  

◇参考ページ「重要法案棚ざらし 解散も無理」(産経新聞 2012年5月11日)