先日、埴輪の野焼き体験に行ってきました。
今回は12月に静岡県掛川市にある埋蔵文化財センターでの埴輪(はにわ)作り体験で家族で作成した、円筒埴輪の焼き締めを行うのが目的です。
野焼きで焼き締めた埴輪は、現在復元工事中の掛川市和田岡(わだおか)地区にある吉岡大塚古墳に設置される予定です。
そんなわけで今回も前回同様、家族で体験会に参加してきました!
野焼きの工程
こちらが12月に我が家が作成した円筒埴輪です。
実は今回の体験会までの間に、埴輪職人さんが事前にガス窯で一度焼いてくれたようで(色が埴輪色になってる・・・)、今回の野焼きの目的は古墳時代当時の野焼きの再現のためだそうです。
古墳時代にはまだ文字がなかったため、野焼きしていた場所は分かっていても、当時の古墳時代の人々がどのような方法で野焼きを行っていたのかは、よく分かっていないとのこと。
そのため今回の野焼き体験会は、色々な方法を実験的に試す貴重な歴史的研究の一環でもあるのです!
埴輪の焼き締めのポイントは、
・徐々に熱していく
・ムラなく火を当てる
・徐々に冷ましていく
最も重要なのは、急激な温度変化を加えないことです。
そのため、始めは写真のように火から離して徐々に温めていくのです。
埴輪に限らずですが、物質は温めると延びる(膨張する)性質があるため、いきなり火の中に放り込むようなことはNGです。
炭の中に埴輪をそっと優しく投入・・・(右側は他のご家族が作った埴輪です)。
ムラなく温めるため炭の中でゴロゴロ回転させていると、ススが着いてちょっと埴輪の色がくすんでしまいました・・・。
が、この後高温で焼き締めることで、くすみが取れ綺麗な焼き上がりになるようなので安心してください。
誰に言われるわけでもなく、長男が裏山から大量に燃料(薪や杉の葉)を運んできました。他の子供たちも長男に釣られて一斉に薪拾いを始めました。
子供たちにあった距離が一気に縮まり、みんなで協力しながらワイワイと楽しそうに薪拾いをしていました。
さあ、ここから一気に高温で焼き締めていきます!
薪拾いの間に長男は裏山でギシギシを見つけ、根っこを掘り出していたようです。
前日の雨で塗れた地面で軍手がビショビショになってしまったのを棒に刺してたき火の熱で乾かしていました。遠くから見ると魚を焼いてるみたい・・・。
勉強は苦手ですが、長男はこういうところは発想力があるので関心してしまいます。長男が外で自由に遊びまわる姿は、いつ見てもイキイキとしています。
焼き上げには結構な時間がかかります。
待っている間ヒマだったのか、長男がおもむろに自作の縄で縄飛びを始めました。
ヒマ過ぎたのか、自分で木のベッドを作って寝てしまいました・・・。
この地域は冬は遠州の空っ風が吹き荒れ、ほぼ毎日強風注意報が出ているのですが、この日は珍しく風がなく久しぶりにポカポカとした温暖な静岡らしい気候でした。
たき火の遠赤外線効果もあってか、とても気持ちよさそうに寝ていました。
写真では分かりにくいですが、高温で焼き上げた埴輪はムラなく綺麗に焼き上がっていました。
ここまでくればもう安心・・・というわけにはいきません。
この後、徐々に温度を冷やしていく過程で伸びた埴輪がまた縮まっていきます。
その過程でヒビが入ってしまうこともあるようです。
まだまだ油断はできません。
最後に埴輪が急速に冷えないようにトタンを被せて今日の作業は終了です!
焼き上がりの結果は・・・
気になる焼き上がりの結果は・・・
残念ながら、本日は時間の関係で焼き上がりの状態は分かりませんでした。この後、焼き上がった埴輪は専門の業者さんが内側を補強して、無事古墳に設置される状態になるのだそうです。
また焼き上がりのお披露目会が近々予定されています。
無事、割れずに焼き上がっていることを願って今回のレポートは終了です!
次回に続く。