認知症の義祖母と接して思ったこと

私の義祖母は5年前に起こした交通事故をきっかけに、認知症を発症しました。義祖母の記憶は認知症を発症したときから途切れてしまっているため、今では成長して大きくなった孫のことが分からなくなってしまいました。とても複雑な気持ちです。

認知症とは

認知症とは、色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなり色々な障害が起こって生活上支障が出ることです。

義祖母は事故の際に頭を打っていたので、医師からも認知症を発症する可能性を告げられていました。また足を怪我したことで動きが制限され、耳がよく聞こえないため人との会話を避けてしまったこともあり、刺激の少ない生活を送ることで認知症が進んでしまいました。

認知症の60%がアルツハイマー型だそうです。下記の特徴的な症状から義祖母はアルツハイマー型に当てはまっています。

・認知機能障害(もの忘れ等)
・もの盗られ妄想
・徘徊
・とりつくろい など

アルツハイマー型認知症を完治する方法は見つかっていないようですが、症状を改善したり遅らせる薬は存在するため、早期発見・早期治療が重要だそうです

認知症の人にやってはいけないこと

認知症の人には大きな声で怒鳴ったり、否定することは認知症の症状を進めてしまうと、介護士である友人から聞きました。認知症の人は失敗したり、夢と現実がごちゃごちゃになっているような訳の分からない話もたくさんします。でも決して否定しないでください。認めてあげてください。

介護者が親であった場合、しっかりして欲しいという気持ちで叱ってしまいがちですが、これは強い不安を与えることになり症状を重くしてしまいます。

義祖母は事故後また1人暮らしをしていましたが、以前と同じように動くことができませんでした。そのときは怪我は治っているから動かなければ筋力が落ちて余計動けなくなってしまうから、と義母はしきりに言っていました。義祖母としては気持ちはあっても体がついていかず、お互い口論になっていたこともあったようです。

そんな生活が4年続く間に義祖母の認知症が進んでしまいました。義祖母はすごく穏やかな性格でしたが、人が変わったようにきつい性格になってしまいました。その間、義母もストレスにより病気になってしまいました。もしかしたら、すぐに第三者のサポートをお願いしていれば結果は違ったのかもしれません。

義祖母は昨年の秋から介護施設のショートステイを利用するようになりました。施設での様子は認知症になる前の穏やかな義祖母に戻っていました。施設では色々な方とのコミュニケーションができ、どんなことでも褒めてもらえます。物忘れの症状は変わりませんが、明らかに性格がガラっと変わりました。

認知症の人の介護をどうするか

最近、離れて一人で暮らしている祖母と電話で話をしていると、以前よりも物忘れが進んでいるように感じます。両親と近い将来、介護の必要が出てくるだろうと話をしています。

母は祖母を施設に入れず自分で看なければと考えているようです。日本では世間的に認知症の両親を施設に入れることを親不孝だという風潮があるような気がします。

しかし超高齢化社会、長寿大国となった現代においては、いつ終わるかも分からない介護を1人でするのは時間的にも精神的にも難しくなってきていると感じます。義母と義祖母の関係を見ると、行政や介護施設などの第三者に頼ることも必要だと思います。

そのうち両親も高齢となり、同じように認知症を発症して介護が必要になるかもしれません。祖母や義祖母の介護に関わり両親を助けることで、将来両親に介護が必要になったときのことを考えるきっかけにしたいと思います。

また、アルツハイマー型の認知症は遺伝するとも言われています。亡くなった祖父はアルツハイマーと診断されていました。認知症は食生活や運動、睡眠などで予防できるようです。自分自身の生活習慣を見直し認知症の予防をしていきたいと思います。