【今週の一冊】ケトン体が人類を救う~糖質制限でなぜ健康になるのか_宗田 哲男

胎児から乳児まで、糖質制限していた!

実は人は生まれる前から、ブドウ糖ではなくケトン体をエネルギーにしていたということが、この本でわかります。

ケトン体というのは、糖質を摂取しなかったときに、体内の脂肪を分解して生まれる物質です。

今まで糖質制限をすると、ケトン体が発生し、高濃度のケトンは人体にとって有害で危険であると信じられていました。

しかし、高濃度のケトン体が問題なのではなく、インスリン不足で高血糖という条件になると、ケトアシドーシスという意識障害も起こすような危険な状態になることが分かってきました。

ケトン体だけでは決して悪いものではないのです。

そして、調査していくと胎児は糖ではなく高濃度のケトン体をエネルギーに成長していくことが判明します。

胎児や妊婦にとってケトン体が危険ではない事が判明し、産婦人科医の著者は、糖尿病の妊婦にインスリン注射ではなく糖質制限で血糖コントロールをして、無事に出産をしていきます。

そんな研究結果を学会で発表すると、避難の嵐。

結果が出ているにもかかわらず、糖質制限の有効性を絶対に認めない医学会や製薬会社の闇を感じました。

しかしそんな非難にめげることなく、自分の信じる道を突き進み、世の中に発信し続ける著者がとてもかっこいいです。

糖質制限について知るのにおすすめの一冊です。