「ちいさいおうち」は、盛岡市のNPO法人うれし野こども図書室が陸前高田市に設立した小さな図書室。市内竹駒町にある陸前高田市図書館のお隣にある。
12月11日、ちいさいおうちのクリスマス会が開催された。
音楽あり、影絵あり、プレゼントありのクリスマス会は、ちいさいおうちの小さな利用者たちによる手作りによるもの。
こどもたちだけでなく、参加した大人たちにも楽しめる、あたたかくて素敵なクリスマス会だった。
会場は、ちいさいおうちの隣の竹駒コミュニティセンターの畳敷きの会議室。壁には賞状や感謝状がずらっと並ぶちょっと古風な公民館だが、畳のあたたかさも相まって、会場はとってもいい雰囲気。
演奏も、歌も、影絵の上映も、こどもたちの一所懸命さが伝わってくるばかりでなく、とてもハイレベル。ちいさいおうちのスタッフの話によると、こどもたちは今日のクリスマス会のために1週間ほども練習したのだとか。
いやむしろ、たった1週間でと逆に驚いてしまった。こどもだからとか大人だからとか関係なく、参加したみんながきっと感動したに違いない。
陸前高田の竹駒町は、高田松原があった海岸からずっと内陸にある。市役所の仮設庁舎がある高台の長い坂道を上って下った先。5年9カ月前の大津波は、気仙川をさかのぼり、山に囲まれたこの地域にも押し寄せた。
クリスマス会に感動した背景にはそんな場所だからこそ、という思いはある。
しかし、被災地であることを忘れて、ひとりの観客として純粋に感動していた、ということもある。
こどもたちの気持ちの中で、震災というものがどのように捉えられ、どのように影響しているのか、自分には思い描くことすらできない。
ただ、感動的なクリスマス会を見せてくれたこどもたちが、これから先のこの町の主役に成長して行くことは間違いない。
私たち大人にできることはなんだろう。
次の時代の主役たちを見守っていくこと。大人としてというよりも、ひとりの人として若い世代の人たちと接していくことなのだろうと、ちいさいおうちのクリスマス会で感じた。