福島県の富岡町、国道6号線のそばで、親子連れの姿を目にした。驚くようなことではないかもしれないが驚いた。
赤ちゃんを背負い、小さな女の子の手を引いて歩く男性。女の子は、パパと思しきその男性の周りを楽しそうに、飛び跳ねるようにして歩いていた。
いまから3年ほど前、2013年の夏、昼間の立ち入りができるようになったと聞いてやってきた富岡町で出会ったのは、すべて男性。それも全身タイベックスーツに身を包んでいたり、給食センターの人が被るような帽子にマスク姿だった。マスクなしなんて人は1人もいなかったのを思い出した。
時間の経過が放射能を弱めていくということなのか。
近くではショッピングモールの内装工事も佳境に入っていた。
ショッピングモールの名は「さくらモールとみおか」。桜の名所にちなんだネーミングなのだろうか。ダイユーエイトは福島地方でよく見かけるホームセンター。
写真撮影後、すでにこのショッピングモールはオープンした。その模様は東北の新聞などでも大きく報じられていた。
被災地は変化の最中にある。復興が遅れがちとされた福島県でも同様だ。被災地で進む変化が何を意味し、どんな将来をつれてくるのか、見極める必要がある。