2月23日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
5号機使用済み燃料プール内で重さ約130kgの物体が「移動」したのは「何らかの原因により」との発表
※2月22日午前9時30分頃、5号機原子炉建屋5階オペレーティングフロア上にいた当社社員が、使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)内底部に設置してあった、機器貯蔵ピット残水移送作業で使用していた浄化用フィルタ(重量約130kg)が、使用済燃料集合体ラック上部に移動していることを発見。
5号機原子炉建屋のエリアモニタおよびダストモニタの指示値に有意な変動は無い。今後、当該燃料集合体への影響の有無を確認する。(既出)
現場状況等を確認したところ、当該フィルタについては、移動前はSFP内底部に設置してあったが、何らかの原因により当該箇所への移動が発生したものと判断。
2月23日午前11時50分より、水中カメラにより当該フィルタの状態確認を実施したところ、燃料集合体への干渉等の異常は確認されなかったことから、当該フィルタを燃料集合体ラック上部から燃料集合体に干渉しない場所(SFP内燃料キャスクピット底部)へ移動することとし、午後1時35分に完了。
当該フィルタが確認された箇所周辺の燃料集合体について、水中カメラによる外観点検を実施したが、変形等の異常は確認されなかった。
【重要】核燃料の保護や保安上でもきわめて厳重な管理が求められる使用済み燃料プールの中で、130kgもある物体が「移動」。その原因はミステリーのままと発表したわけだ。燃料ラックや核燃料に破損がなさそうなのは何よりだが、プールの底にあるべきものが4メートル以上も跳ね上がった原因すら分からないとは!そんな管理で大丈夫なのだろうか??
入退域管理棟の防護装備脱衣所付近で協力企業作業員が倒れ、双葉町の郡山海岸からドクターヘリで搬送
※2月22日午後2時45分頃、入退域管理棟の防護装備脱衣所付近において、協力企業作業員が倒れていることを発見した。入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると診断されたことから、午後3時11分に救急車を要請。当該作業員に身体への放射性物質の付着はない。
午後3時45分、救急車にて入退域管理棟救急医療室を出発し、午後4時6分、双葉町の郡山海岸からドクターヘリにて、いわき市内の病院に向け出発。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
◎日報に新規事項の記載なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備の状況 セシウム吸着装置を「停止」
・セシウム吸着装置停止中
その他の項目に新規事項の記載なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日2月17日]については、運用目標値を満足していることを確認。
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(2月14日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス 通算104回目の海洋排水を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の分析結果[採取日2月10日]については、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
2月23日午前10時9分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 揚水井No.10の分析結果(2月18日サンプル採取)は、第三者機関の分析でトリチウム濃度が3,100ベクレル
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日2月17日]については、運用目標値を満足していることを確認。
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。