アウシュビッツが解放されて71年の今日、改めて人種差別、偏見などが持つ危険性について考えたい

71年前の今日、旧ソ連軍によってポーランドのアウシュビッツ強制収容所がナチス・ドイツの支配から解放されました。

国連は1月27日を、先の大戦で行なわれた大量虐殺を改めて確認し、憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を人々に警告することを目的に「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」として定めています。

ホロコーストとアウシュビッツについて

ご存知かもしれませんが、ホロコーストとは「大虐殺」を意味し、通常、第二次世界大戦でナチス・ドイツによって行なわれた大量虐殺のことを指します。

諸説ありますが、先の大戦でナチスが殺害したユダヤ人は600万人と言われています。当時のユダヤ人は全世界で推定およそ1500万人。そのうちヨーロッパには950万にいたといいます。つまり、全ユダヤ人の3分の1以上、ヨーロッパにいた3分の2に近い方たちが虐殺されたことになります。

アウシュビッツ強制収容所はポーランドの美しい古都・クラクフから西へ60kmほど行った場所にあります。収容所は第一から第三までの3つに分かれており、少なくともこの3箇所で100万人以上の人が殺害されたといいます。

収容所で行なわれていたことは常軌を逸しており、アウシュビッツの生存者が語った証言からそのことが伝わってきます。

11年前に訪れたアウシュビッツ

アウシュビッツの強制収容所には11年ほど前に訪れたことがあります。

クラクフの街からバスに乗り、1時間ほどでアウシュビッツに着きました。強制収容所の敷地には今も当時の建物の一部が残されており、中は資料館として様々なものが展示されています。

実際に訪れる前、アウシュビッツに対して持っていたイメージを色に例えるならば「限りなく黒に近いグレー」でした。

ところが、最初に敷地へ足を踏み入れた時、この場所で100万人以上もの方が虐殺されたことが信じられませんでした。暖かい日差しが注ぐ施設は、想像していた雰囲気とはだいぶ異なっているように感じられたのです。

しかし、それは建物の中に入ると一変します。

中には無数の義足やメガネなど、収容所にいた方たちが使用していたものがうず高く積まれていたのです。中でも一番印象に残っているのが、刈り取られたという人の髪でした。

展示物を見た後、建物の外に出て目にした景色は、最初とはまったく別のもののように感じました。

同じ過ちを繰り返さないために

数百万人もの罪のない人が、人種の違いというだけで虐殺されたことにやりきれない怒りと悲しみを覚えると同時に、人間が持つ負の一面に驚きと恐ろしさを感じます。

アウシュビッツで行われたことは到底許されるべきことではありません。しかし、この大虐殺に加担したのが必ずしも特殊な人だけだったとは思えないのです。

始めは小さな人種差別や敵対感情などが、自分でも気づかぬうちに次第に大きくなり、社会の風潮の中で正常な判断を狂わされる危険性はいつの時代にも存在します。

アウシュビッツ強制収容所が開放された今日、同じ過ちを二度と繰り返さないために、人種差別、偏見などが持つ危険性を改めて認識する日にしてみてはいかがでしょうか。

アウシュビッツ