2016年1月21日 今日の東電プレスリリース

1月21日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

廃棄物処理建屋間連絡ダクトからプロセス主建屋へ滞留水の移送を終了

※各建屋に接続しているトレンチ・ダクト内の滞留水状況調査の一環として、2015年12月3日に採取した廃棄物処理建屋間連絡ダクト滞留水の、放射性物質濃度分析結果が上昇。原因調査のため、2016年1月19日午前11時23分、当該ダクトからプロセス主建屋への滞留水の移送を開始。(既出)

その後、2016年1月21日午後0時20分に計画していた移送を終了。移送停止後の状況については、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を開始

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日 1月12日]については、運用目標値を満足していることを確認。1月21日午前10時4分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時17分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCからの排水準備が進む

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日 1月13日]については、運用目標値を満足していることを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(1月11日採取分)

地下水バイパス 通算99回目の海洋排水を終了。排出量は1,798トン

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の分析結果[採取日 1月7日]については、運用目標値を満足していることを確認。2016年1月20日午前10時14分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時34分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、同日午後5時28分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,798m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

地下水バイパス 揚水井の分析結果(1月19日サンプル採取)

【注目点】昨年11月19日にトリチウム濃度が3,100ベクレル(1リットルあたり)の最高値を記録した地下水揚水井No.10は、12月14日の採取から「ポンプ点検により採取中止」の状態。採取が中止される直前の12月10日採取の分析結果は2,800ベクレルと高い状態が続いていた。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

1月20日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19
E-1 9,900 9,000 9,600 9,500 8,700 10,000 ※ 8,800
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 2.0 64.0 0.5

※ 悪天候により採取中止

H6エリア周辺地下水G2の分析結果が上昇。東京電力は降雨の影響による一時的上昇と説明

<最新のサンプリング実績>
H6エリア周辺地下水(G2)の分析結果については、降雨の影響により一時的に上昇しているが、過去の変動範囲内に収まっている。なお、その他の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年1月21日

H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19
G-1 160 150 110 120 130 160 ※ 180
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 2.0 64.0 0.5

H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19
G-2 260 270 310 190 270 270 ※ 2,700
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 2.0 64.0 0.5

H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19
G-3 960 880 900 1,100 970 1,100 ※ 940
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 2.0 64.0 0.5

※ 悪天候により採取中止