1月3日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中。
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果*[採取日12月22日]については、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
1月3日午前9時57分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時14分に漏えい等の異常がないことを確認。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果*[採取日12月26日]については、運用目標値を満足していることを確認。
*年末・年始期間中は第三者機関が休業のため、当社福島第一原子力発電所敷地内にある2箇所の分析施設で分析を行い、その分析結果は同等の値であることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(12月22日採取分)
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
1月2日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1
E-1 3,100 3,600 4,000 5,400 5,900 5,500 6,600 7,400
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1
G-1 190 150 ND(110) 110 170 130 160 120
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1
G-2 750 410 350 350 380 380 350 330
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30 12/31 1/1
G-3 820 770 930 940 850 910 1,000 1,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.1-12のデータは前回値より低下
2016年1月1日に採取した地下水観測孔のうち、No.1-12については、(2016年1月2日)再度採取を行い、分析結果については前回値より低下していることを確認。
セシウム134 セシウム137 全ベータ値
No.1-12 60 280 630
(単位:Bq/L)
当該地下水観測孔以外のセシウム134、セシウム137を含むガンマ核種および全ベータ分析結果については、前回と比較して有意な変動はない。