2015年10月21日 今日の東電プレスリリース

10月21日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

2,3号機格納容器のガス管理設備停止の続報。20日午後5時12分に作業終了

※2号機および3号機原子炉格納容器ガス管理設備については、信頼性向上を目的に、配管の一部に使用しているフレキシブルチューブおよび樹脂製ホースの鋼管化作業を行う。
当該作業では、必要に応じて設備の停止となるので、設備停止中は特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子炉施設の保安」(以下、「実施計画」という)第1編第24条の表24-1に定める運転上の制限「原子炉格納容器ガス管理設備の放射線検出器が1チャンネル動作可能であること」を満足しない状態となることから、実施計画第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用し、計画的に運転上の制限外に移行して作業を実施する。
2号機原子炉格納容器ガス管理設備については、10月20日午前9時5分から作業を開始し、(既出)

午後5時12分に作業を終了。その後、当該設備の動作確認において異常がないこと、および短半減期核種の指示値に有意な変動がないことから、午後5時55分に実施計画第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)の適用を解除。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年10月21日

※「短半減期核種の指示値に有意な変動がない」の根拠となる資料が見当たらない。公開されている場所をご存知の方があればぜひご教授願いたい。

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中。
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDから海洋排水を停止。排出量は822トン

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月9日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月20日午前10時9分に海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時31分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

その後、午後3時48分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は822m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年10月21日

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEの処理水(10月12日採取)と集水タンク(10月9日採取)の分析結果

福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年10月21日(1ページ)(部分引用)

【注目点】日報の記載はないが、一時貯水タンクEの分析結果がデータとして発表されたことから、「運用目標値を満足」とのドキュメント発表抜きに排水が実施される可能性がある。

福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン集水タンクの分析結果(10月9日採取)|東京電力 平成27年10月21日(2ページ)

【注目点】地下水ドレンからの汲み上げ・排出が始まっていると報道される中、全ベータの分析結果が発表されないのは理解できない。地下水ドレンが設置されているタービン建屋海側の観測ポイントでは全ベータの過去最高値更新が続いている。また、これまでの東京電力の分析では、トリチウムよりも全ベータの分析結果の方が早いタイミングで発表されてきた。

地下水バイパス 通算86回目の海洋排水を開始

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日10月8日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、(既出)

10月21日午前10時7分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年10月21日

地下水バイパス 揚水井の分析結果(10月15日、19日サンプル採取)

【注目点】いずれも揚水井No.10のトリチウムは2,000Bq/Lと高い濃度で推移
(地下水バイパス揚水井全体を通しての過去最高値は、揚水井No.10で10月1日に記録した2,400Bq/L)

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

10月20日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年10月21日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年10月21日