9月19日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
チリ中部沖地震による津波注意報への対応:続報
※9月17日午前7時54分頃、チリ中部沖で、マグニチュード8.3の地震が発生。その後、9月18日午前3時、気象庁から福島県沿岸部に「津波注意報」が発令されたことから、午前3時5分、発電所構内で作業している当社社員および協力企業作業員に対し、発電所構内一斉放送にて高台への待避指示を出し、午前4時5分に避難を完了。
午後4時40分に『津波注意報』が解除されたことから、午後4時53分に発電所構内一斉放送にて高台退避指示を解除。
なお、津波注意報発令期間における発電所の潮位計で確認されたデータを評価したところ、津波高さは約20~30cmと推定。
また、プラントパラメータ及びモニタリングポスト指示値については、有意な変動は確認されなかった。
1号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を実施→停止
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施。(2015年9月18日午後5時40分~9月19日午前6時2分)
※ 建屋地下からの滞留水移送は6時間22分実施の後、停止中
2号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下・原子炉建屋地下・廃棄物処理建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月17日午後1時57分~)
※ 建屋地下からの滞留水移送は実施中
3号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月18日午後4時30分~)
※ 建屋地下からの滞留水移送は実施中
4~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 セシウム吸着装置を運転
・セシウム吸着装置運転中
その他の項目に新規事項なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス 揚水井No.9のトリチウム濃度が過去最高値
<過去最高値>地下水バイパス揚水井No.9
トリチウム(H3):340Bq/L(2015.09.17)
これまでの最高値:330Bq/L(2015.09.10)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月18日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
新規事項なし
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17
E-1 ※ 35,000 37,000 33,000 26,000 31,000 31,000
浪江雨量(mm) 93.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 50.5
H4エリア周辺地下水【E-2】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17
E-2 ※ 200 360 170 60 88 73
浪江雨量(mm) 93.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 50.5
※ 悪天候により採取中止
H6エリア トリチウム濃度。G-1が3,400ベクレル、G-2は9,800ベクレルでともに過去最高値
新規事項なし
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17
G-1 3,300 ※ 2,900 2,600 2,400 890 2,200 3,400
浪江雨量(mm) 39.0 93.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 50.5
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17
G-2 130 ※ 200 1,300 730 4,600 4,000 9,800
浪江雨量(mm) 39.0 93.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 50.5
※ 悪天候により採取中止