2015年9月3日 今日の東電プレスリリース

9月3日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

3号機使用済み燃料プールで重機から油漏れ。回収のため4時間15分にわたってプール冷却を停止

※本日午前8時3分頃、3号機使用済燃料プール内において、がれき撤去用鋼材カッターの油圧ホースと養生材が接触し、プール水面に油漏えいが発生。がれき撤去用鋼材カッターを停止したことにより漏えいは停止した。なお、燃料プールにはオイルフェンスがあり、使用済燃料プール代替冷却系には影響がないものと考えているが、油回収のため使用済燃料プール代替冷却系を午前8時15分に停止した。冷却停止時の燃料プール水温度は25.8℃であり、運転上の制限値65℃に対して余裕があるため、使用済燃料プール水温度の管理上は問題ない。
午前10時45分に油回収作業が完了したため、停止した使用済燃料プール代替冷却系を午後0時30分に再起動し、運転状態に異常がないことを確認。現在の燃料プール水温度は、午後1時30分現在26.1℃と安定している。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

サブドレン他水処理施設の運用を開始

※サブドレン他水処理施設については、8月12日から8月25日にかけて、各装置、機器の健全性確認(漏えい確認を含む)を行い異常が確認されなかったことから、本日午前10時に建屋周辺の地下水を汲み上げ、サブドレン他水処理施設の運用を開始した。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

運用開始にしてはずいぶんと記事の扱いは小さい。写真には福島第一原発の小野所長や経産省の作業服を着用した人の姿が見える。

1号機

新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

2号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中

・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年9月2日午後2時18分~9月3日午前7時50分)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中

3~6号機

新規事項なし

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「運転中」

その他の項目に新規事項なし

・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月2日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)において異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 9/1
E-1 1,600 820 40,000 41,000 50,000 42,000 41,000
浪江雨量(mm) 18.0 28.0 11.5 29.0 25.5 7.0 1.5

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月3日

H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 9/1
G-1 160 170 180 740 1,500 400 560
浪江雨量(mm) 18.0 28.0 11.5 29.0 25.5 7.0 1.5

1~4号機タービン建屋東側

新規事項なし