7月19日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は1号機廃棄物処理建屋)
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月19日午前9時57分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
2号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を切り替え(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水の移送実施(2015年7月17日午前10時43分~19日午前10時14分)
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月19日午前10時14分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
3号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を切り替え(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
(6月30日には、6月29日午後1時46分SFP代替冷却系を起動と報告されている)
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年7月17日午前11時26分~19日午前10時18分)
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月19日午前10時18分~)
4~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~トリチウム濃度の高い揚水井No.10の汲み上げ水は、他の井戸の地下水で薄めて海への排水を進める方針
※地下水バイパス揚水井No.10については、トリチウム濃度が運用目標値(1,500Bq/L)を超えていたことから、くみ上げを2015年6月30日に一旦停止し、週2回の傾向監視を継続していた。
7月17日採水分の当該揚水井のトリチウム濃度は1,900Bq/Lであり、7月18日、あらかじめ定めていた対応にもとづき、一時貯留タンクに対する評価を実施した結果、運用目標値を満足すると評価。
今回の評価結果から、同日午後4時9分からくみ上げを再開し、同日午後4時12分、漏えいなど異常がないことを確認。
当該揚水井については、引き続き、監視を継続する。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
7月18日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、堰床部に溜まっている雨水の影響により、一部実施出来ない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア周辺地下水 E-1の全ベータが急増し3万6000ベクレルに。東京電力は「過去の変動の範囲内で、降雨の影響」と説明
<最新のサンプリング実績>
H4エリア周辺地下水E-1の全ベータ値が、36,000Bq/L(採取日:7月17日)となっており、前回採取時の2,200 Bq/L(採取日:7月15日)と比較して10倍を超えていることを確認。この値は、過去の変動の範囲内であり、当該観測孔の全ベータにおいては、降雨の際に以前にも上昇が見られていることから、今回の上昇についても、降雨が影響したものと考えている。その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4エリア周辺地下水 E-1/E-9の全ベータ濃度>
採取日 7/9 7/10 7/11 7/12 7/13 7/14 7/15 7/16 7/17
E-1 2,000 1,800 1,900 2,000 2,100 2,100 2,200 悪 36,000
E-9 ー 3,100 ー ー 3,500 ー 5,100 ー 6,500
※ 単位はBq/L。(ーはデータの発表なし)(悪は悪天候のためり採取中止)
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽
新規事項なし
1~3号機放水路
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して有意な変動は確認されていない。