昼間のコースを終えて夕食を食べた後、外灘にあるホテルのスカイラウンジに行った。ホテルの屋上からは黄浦江(上海を通る川の名前)を挟んだ向こう側に位置する浦東地区の高層ビルを見ることができる。
せっかくだからと2人で屋上に行く。ライトアップされ輝く高層ビル群だが・・・なんとなくモヤモヤと濁った空気がビルを取り巻きながらゆっくりと風に流されてくように見える。
「あれは何?霧じゃないよね?」と2人で話すが答えが出ない。
その夜、友人はかなり強い咳払いを何度もしていた。私と言えば咳もくしゃみも出ないが、鼻水だけが出た。やはり風邪を引いてしまったのかと少し心配になる。
3日目。
朝は前日に増してひどい喉の痛さだった。これはまずい。だがうがいをして朝食が終わるころにはなぜか痛みがなくなる。
この日は自由行動。南京路、日本で言えば銀座のようなところだろうか、買い物や散歩をすることにしたが、歩き始めてすぐに雨に降られ、早めに買い物を切り上げホテルに戻る。
しかし――いったいどうしたことか、今日は2人とも朝から鼻水が止まらない。
大気汚染がひどいとしても雨が降れば少しは空気もきれいになるような気がするのだが、そんなこととは無関係に鼻水だけが出るのだ。
さらに不思議なのは私も彼女も「くしゃみをしない」のに「鼻水だけが出る」ことだ。鼻水とくしゃみはセットのように思うのだが、くしゃみはほぼゼロ。ただただ水のような鼻水がつらつら出る。私は持ち歩いていたティッシュを使い尽くしてしまいそうだった。
どちらからともなく「ちょっとおかしいよね。今日はもう外に出るのをやめよう」という話になり、そのあとはホテルで過ごした。
その夜、私も彼女も鼻水が止まらなかった。鼻が詰まったりくしゃみが出たりはしないが鼻水だけがズルズルと出た。
翌日、帰国の日の朝もやはり喉が痛く、腫れているのでは?と思うほどだ。しかし、それが長く続かないから不気味だ。
そして出続ける鼻水・・・。2人で何かがおかしい、気味が悪いと話しながら鼻をかむ。「楽しかったね。空気さえ良ければもう2-3日遊んでもいいよね」友人はそう言っていた。
さて、日本へ到着。
なんと驚いたことに、帰国後鼻水は少しずつ収束し、ほぼ24時間丸一日で止まった。風邪のような体調の悪さはなく、鼻水だけの不気味な症状がぴたりと止まったのだった。
この鼻水の原因が何なのか真実はわからない。ただ私は「大気汚染」とか「空気が悪い」となるとまず一番に「咳」が思い浮かぶ。でも咳は全くというほど出なかった。確かに喉がごそごそするから咳払いをしたくはなったが、それもわずかだ。
それに代わって止まらない鼻水。花粉症に似ているようにも思うが、花粉症ならくしゃみが出るし、鼻詰まりも起こす。だがくしゃみも鼻詰まりもなく、また鼻の奥が炎症を起こしているようなこともなく水のような鼻水だけが出た。
もしこの鼻水が大気汚染のせいだとするなら、そこに住む中国人はどうなのだろうか。
日本の花粉症の時期のように道行く人がマスクをしティッシュを持ち歩くような光景・・・そんなものはまったく見なかったし、私たちを案内してくれた現地ガイドや運転手も鼻水に苦しんでいるような様子はなかった。
体に何か異常はないのか。それとももう何も感じなくなっているのか。。。
付け加えると、私は2012年の夏に北京へ旅行に行っているのだが、その時は鼻水が出るとか咳が出るなどはまったくなかった。
しかし今回この気味の悪い症状を経験し、さすがの私も「しばらく中国内地へは行きたくない」と思った。
中国――。
軍事に費やす時間とお金があるなら、もっと先にやることがあるのではないか?
政府高官たち、日々刻々とあなたがたの体も蝕まれていると思わないか?あなたの肺は、気管支は、鼻腔は大丈夫か?
你的身体怎么様?