毎年、この季節になると流行するインフルエンザ。昨日も病院で25名もの方が集団感染し、そのうち2名の方が亡くなられたことが報じられていました。インフルエンザについて、改めて予防策を中心に確認したいと思います。
インフルエンザの種類
インフルエンザとひとくちに言っても、大きくわけてA型、B型、C型の3種類があります。型はインフルエンザウイルスの表面にある突起の形や内部のたんぱく質の種類によって異なります。A型、B型の感染力は特に高く、毎年日本人のおよそ12人に1人の割合で感染しているというデータがあります。
3つのうち、A型のインフルエンザウイルスは変異を起こしやすいと言われています。通常は小さな変化を繰り返しているものの、時に大きく変ることがあります。これが新型インフルエンザと呼ばれるもので、多くの人が免疫を持っていないために感染が拡大しやすくなります。
インフルエンザの主な感染経路
インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫にウイルスが混じり、それを吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ウイルスが混じった飛沫が付着したものを手などで触り、それが口や鼻から侵入する「接触感染」があります。
「飛沫感染」は職場や電車などの公共交通機関を始めとした人が大勢いる場所で感染する確率が高く、「接触感染」は電車などの吊り革、ドアノブ、スイッチなどから感染することが多いと言われています。
インフルエンザの予防策
インフルエンザの主な予防策として次のものがあると言われています。
■予防接種
一般的に最も効果的と言われている予防方法です。インフルエンザの型にあったワクチンを接種しないと発症を抑制する効果が期待できないために、流行する型を毎年予測して複数の種類が含まれたワクチンを作っています。接種をしたからといって必ずしも予防できるとは限りませんが、発症をある程度抑止する効果があり、かりに発病しても症状が重くなることを阻止する効果があるとのことです。
インフルエンザワクチンは、抗体ができるまで接種後およそ2週間ほどかかり、効果は約5か月間ほど続くと言われています。インフルエンザは例年1、2月がピークであることから、遅くとも12月上旬くらいまでに接種しておくことが推奨されています。
ちなみにインフルエンザの予防接種は、不活性化ワクチンと呼ばれる感染力がないワクチンを使用するために、接種したことによりインフルエンザを発症することはないそうです。
■室内を湿度を40%以上に保つ
インフルエンザは乾燥を好むと言われています。例えば温度22度、相対湿度(※)20%の環境では約60%以上のウイルスが生存しているものの、相対湿度が50%になるとほとんどが生存できないとの研究結果があります。そのため室内の相対湿度を40%以上にすることが望ましいと言われています。
また、乾燥した空気は喉などの粘膜の防御機能を低下させます。インフルエンザは主に喉や気道の粘膜から感染することから、インフルエンザにかかりやすくなります。
室内の湿度は「洗濯物を干す」、「調理」、「入浴」などでもあがるものの、加湿器が一番有効なようです。
※相対湿度とは、その空気に含むことができる最大の水分量に対する実際に含まれている水分量の割合(%)のことをいいます。通常、湿度計などに表示されるものは相対湿度がほとんどです。
■手洗い、うがいをする
予防策として「手洗い」、「うがい」が推奨されています。インフルエンザウイルスは石鹸に弱いと言われており、手洗いをすることにより感染経路のうち「接触感染」を防ぐことに有効です。
「手洗い」はしっかりとていねいに洗うことが重要です。参考までに政府広報オンラインに記載されている「正しい手の洗い方」をご紹介いたします。
■マスクの着用
マスクは口だけではなく、鼻やあごも隙間なく隠れるよう着用します。
実はインフルエンザウイルスはマスクの目よりも小さく、通り抜けを完全に防ぐことはできないそうです。しかし、マスクを着用することにより、鼻や喉の粘膜を温かく、且つ湿度が高い状態に保つことができ、気温や湿度が高い環境に弱いインフルエンザウイルスを弱体化させる効果があると言われています。
インフルエンザウイルスの生存率について、湿度との関係は前述の通りですが、温度についても相対湿度20%、温度22度の環境で60%以上のウイルスが生存しているのに対し、湿度が20%のままでも温度が32度になると、ウイルスの生存率は20%以下になるという結果があります。
■その他の予防策
その他に「十分な睡眠」、「バランスの良い食事」、「人ごみを避ける」なども予防策として有効と言われています。
感染したらすぐに病院へ。迅速な治療が早期回復、重症化を防ぐ
予防するのに越したことはないものの、万が一インフルエンザに感染した場合はすぐに病院へ行った方が良さそうです。
インフルエンザの薬が効果を発揮することができるのは通常、症状があらわれてから2日以内と言われています。それ以降は、投与しても十分な効果が期待できないため、解熱鎮痛薬や鎮咳去痰薬などを用いる対症療法が中心となるそうです。
周囲の人への感染だけでなく、自分の為にもインフルエンザの疑いある場合は、速やかに病院に行った方がよさそうですね。
参考WEBサイト
紹介:sKenji