致死率90%! エボラ出血熱がアフリカ西部で感染拡大

わずか数個のウィルス感染で発症し、発症すると細胞のタンパク質が破壊されることで全身から出血、致死率が50%から90%にも達する感染症「エボラ出血熱」がアフリカ大陸西部で流行している。バイオセーフティレベルが最高の4に指定され、過去にはアフリカ中央部で突発的な流行が記録されているエボラ出血熱。今回の感染拡大についてCNNは次のように伝えている。

バイオハザード

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(CNN) 西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大している問題で、世界保健機関(WHO)は1日、流行が始まった3月以降に確認された患者が759人に達し、467人が死亡したと発表した。

これまでにギニア、シエラレオネ、リベリアの計60カ所で患者が確認された。WHOは「感染を食い止めるために抜本的な行動が必要」との立場を示し、現地に専門家チームを派遣している。今週中に対策を協議する会合も開く予定だ。

引用元:CNN.co.jp : エボラ出血熱の死者467人に 医療チームに投石も

感染が確認されているギニア、シエラレオネ、リベリアはアフリカ中西部、コートジボワールやセネガルなどと隣接した地域にある。過去に流行が発生したスーダンやザイールからは離れている。
国立感染症研究所によると、1976年にエボラ出血熱が知られるようになって2002年までに12回の発生があり死者は1,104人だった。今回の流行が始まった3月以来467人という死亡者数は、今回の感染拡大がいかに深刻かを示している。

エボラ出血熱は動物からヒトへ、ヒトからヒトへ感染するとされるが、自然界でのウィルス宿主は判明していない(オオコウモリとの見解が有力)。このウィルスの特徴は、血液や体液との接触によりヒトからヒトへと感染が拡大すること。感染後の発症は突発的で、潜伏期は2~21日、最初はインフルエンザのような症状がおこり、発熱、頭痛、腹痛、筋肉痛など全身に痛みが生じ、内臓機能の低下、吐血や口腔内の出血、消化管の出血などで急激に衰弱するという。

治療・予防
 感染予防のためのワクチンはない。治療は対症療法のみである。抗体が検出されるようになると急速に回復に向かう。感染者や検体と接触した人のみに対応すれば十分で、疑い患者の血液等を素手で触れないこと(手袋を必ず使用する)が重要である。空気感染はないとされているが、飛沫感染は否定できない。

引用元:エボラ出血熱とは | 国立感染症研究所感染病理部 佐多徹太郎

予防のためのワクチンはないとの言葉に戦慄を覚えるが、感染者や感染した可能性のある人と接触しなければ感染の可能性は低いと考えられる。

感染が拡大している地域への渡航の予定がある方は十二分にお気を付け下さい。