聴いてほしい、大川小学校の「音」

毎日たくさんの人が訪れる大川小学校。この場所は……、これまで多くの方がたに言葉や写真で語り伝えられてきてるから、今日は詳しく書き記すことはやめにします。

ただ、大川小学校の建物の前に立って手を合わせていると聞こえてくる音があります。風の音。風の音にかき消されそうになりながら聞こえてくる小鳥のさえずり。教室の天井板が剥がれてしまったところが、小鳥たちのすみかになっているんです。そして遺族の方々が教室に捧げている花々が風に揺れる音。もしかしたら、教室の廊下のフックにいまも掛けられたままの小さなコートや赤白帽子が風にゆられる声も聞こえるかも。いまでは薄れて読みにくくなった黒板の文字が見えてくるかもしれません。

耳を澄ませば、きっと目で見るだけでは伝わらない何かが、あなたの中に入ってきてくれるような気がするのです。

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耳を澄ませば、校庭を走り回る君たちの姿も、建物がいっぱいだった町の様子も、道端でおしゃべりしているおばあちゃんとか、荷台に釣道具を積んで走っていくおじいちゃんが乗った軽トラの音とか、そんなさまざまの音が聞こえてくるかもしれないと思うのです。ここはそんな特別な場所。

顔を見たこともない君たちだけど、同じ時を生きたひとりとして、声が聴きたいよ。

文●井上良太