懐かしい友とバッタリ会った。
はたちそこそこの頃、初めてその場所に行った。そこはいつしか、自分にとってかけがえのない場所となり、そこで出会った人たちは大人に向かおうとしている自分にとってかけがえのない人たちにいつしかなっていった。
当たり前にその場所はずっと存在し続けて、そこに行けばそのかけがえのない人たちといつでも会えるとずっと思っていた ずっと信じていた。
その場所がある日突然なくなってしまった 消えてしまった。
そこに当たり前のように集まっていた人たちはバラバラになり
時間が経つとともにみんなその場所のことすら口にすることも少なくなっていった。
その頃の友と今日バッタリ会った
懐かしかった ふたりして僅かな時間ではあったけどいろいろな事を思い出しいろいろな事を話した。
でもそれは全て「過去」だった 悲しいけれど全て「昔話し」だった。
人は過去を憂い「あの頃は良かった」と歳を重ねれば重ねるほど思いがちで、でも あの頃はあの頃でいろいろあった訳で
あの頃も良かったけど今だってまんざらじゃないよなぁ って思えるようになりたい。
いや まんざらじゃないよね。
懐かしい友と今日バッタリ会った
でも今のわたしの周りにもかけがえのない人たちがたくさんいる。
出会ってくれてありがとう 過去のわたし、そして今のわたしに出会ってくれてありがとう そんな過去も今も未来も全部ひっくるめて わたしはわたしです。
そして‥
これから出会うであろう人たちへ
こんなわたしですが出会ったらよろしくね。
2014年1月25日 / 文●新柵ひろ子