「吉野梅郷・梅まつり」始まる 3/1~3/30

吉野梅郷・青梅市梅の公園

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今月1日から、東京都青梅市の吉野梅郷で「吉野梅郷・梅まつり」が始まりました。吉野梅郷は、関東有数の梅の名所です。東京都でも、自然豊かな奥多摩エリアの入り口に位置しており、美しい多摩川の渓流と、日の出山山系に囲まれた、東西4㎞にわたる梅の里です。

「青梅市梅の公園」のウメ

吉野梅郷は、平成21年、日本経済新聞社による「おすすめの梅の名所ランキング」で全国第1位に選ばれています。

「おすすめの梅の名所ランキング」は、写真家や大手旅行会社の企画担当者により、全国約90カ所の梅の名所を順位づけしたものです。吉野梅郷は、2位以下に大差をつけて選ばれたそうです。

日本一に選ばられた梅の郷でも、一番の見所と言われているのが、「青梅市梅の公園」です。梅の公園は、昭和47年から、青梅市が整備を始めた自然公園で、園内には80品種、1,266本の梅の木があります。

起伏に富んだ公園内では、季節になると山の斜面に植えられた梅の花が咲き乱れ、変化に富んだ美しい光景を見ることができます。

今年を最後にしばらく見納めになります。

名だたる梅の名所のなかから選ばれた吉野梅郷ですが、平成21年に「ウメ輪紋ウイルス」が確認されました。

「ウメ輪紋ウイルス」は、梅や桃などに感染するウイルスです。葉に円心円状などの模様が生じるほか、果実の表面にまだら模様が現れて、商品価値の低下や成熟する前に果実が落下することがあります。農林水産省のWEBサイトによると、人や動物には感染せず、仮に果実を食べたとしても健康には影響ないそうです。

日本では、初めて青梅市で確認され、その後、神奈川、茨城、大阪、和歌山など、関東、関西で見つかっています。

ウイルスが確認された青梅市では、約2万6千本の梅の木(植木、苗木を含む。)が処分され、そのうち吉野梅郷でも約1万本の木を伐採して、ウイルス蔓延を食い止めようと努力してきました。しかし、終息の兆しが見えないため、早期の防除および再生・復興に向けて、今年の梅まつり終了後に「青梅市梅の公園」のすべての梅の木を伐採するそうです。

「吉野梅郷・梅まつり」詳細情報

吉野梅郷の梅まつりは、3月1日(土) ~ 30日(日)の期間で行われます。
下記に、主な見どころの詳細情報を記載します。

■青梅市梅の公園
【場所】東京都青梅市梅郷4-527
【期間】通年オープンしていますが、下記の期間は有料となるようです。
    2月下旬~3月下旬(※開花状況等により変更となります。)
    有料期間中は、入園者に素敵な梅の公園のポストカードが進呈される
    そうです!
【時間】午前9時~午後5時
【入園料】1人200円。
     ※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方は無料。
【アクセス】電車:JR青梅線日向和田駅下車徒歩15分
      自動車:・中央自動車道「八王子」インターから国道411・吉野街道
           を通り、約22km。
          ・圏央道「青梅」インターから青梅街道・吉野街道を通り、
           約10km。
          ※梅の公園には駐車場はありませんが、徒歩5分ほどの場所に
           民間有料駐車場(約1000台)あり。
           ただし、梅まつり期間中は渋滞が激しいので、
           電車の利用が推奨されています。
 【催し物】・俳句の投句と展示
      ・甘酒無料配布(3月2日~23日の日曜日と21日(祝)の午前10時から、
              先着500人の方へ甘酒を無料で提供)
      ・各種ステージ(3月の土・日曜日、祝日に梅の公園内の特設ステージで
             「踊り」、「楽器演奏」等の演目あり。
              天候等の都合により開催されない日もあり。)

■梅郷市民まつり
 【日程】3月16日(日曜日)※荒天時は23日(日曜日)
 【催し物】○神代橋通り:郷土芸能(獅子舞、お囃子、和太鼓)、
             警視庁騎馬隊・青梅交通少年団パレード、
             民舞踊、ダンス
      ○梅の公園:野点、琴の演奏、草笛
      ○梅郷市民センター:俳句会(荒天実施)

吉野梅郷案内図

www.omekanko.gr.jp

上記のほか、期間中に「郷土物産品販売」、「スタンプハイク」、「オープンガーデン(※)」なども開催されます。

※オープンガーデン:梅や草花を楽しむために、善意により公開されている個人所有の庭です。

吉野梅郷、その他の見どころ

吉野梅郷には、梅の公園以外にも以下の見所もあります。

■吉川英治記念館
 ・青梅市の名誉市民である文豪・吉川英治の記念館。
  「三国志」、「新・水滸伝」を始め多くの著書があります。
  『新平家物語』は昭和25年からここで執筆されました。
  使われた書斎は、現在もそのままの状態で残されています。
  原稿、著作、書画、書簡などを約300点が展示されています。

【場所】青梅市柚木町1-101-1
【営業時間】春季 3月1日~6月1日、秋季 9月2日~11月30日
10時~17時(最終入館 16時30分)
     休館日は月曜日。
       (※ただし月曜日が祝日の場合は開館。翌火曜日休館)
【料金】大人500円、学生400円、小学生300円
【アクセス】JR青梅線 二俣尾駅下車 徒歩15分 
       または、青梅駅下車~都バス吉野行 柚木下車

■即清寺(そくせいじ)
 ・市の史跡に指定されています。本堂の前にある十三仏結衆板碑は史料的に
  大変貴重なものだそうです。境内には、招春梅と呼ばれる梅の古木があります。

 【場所】 青梅市柚木町1-4-1
【アクセス】JR青梅線 石神前駅下車 徒歩15分
       または、青梅駅下車~都営バス「吉野行」即清寺下車

今後の梅の公園について

先述のとおり、梅の公園にある梅の木は、今月いっぱいを最後に、全て伐採されてしまいます。その後の吉野梅郷ですが、再び梅の木が植えられるまでは、毎年3月を中心に「花」をテーマとしてイベントを計画していく予定とのことです。

昨年12月には、梅の公園内に「福寿草」と「日本スイセン」が植えられています。

一般的に、ウメの木は種から花を咲かすまで、5~6年かかると言われています。青梅市の梅の再生期間については、産経新聞の記事に次のように書かれています。

ウメ輪紋ウイルスは、同市を中心に西多摩地区で猛威を振るっており、公園の再生には時間がかかりそう。市内全域でウメ植栽を再生・復興するには少なくともあと7年かかる見通しだ。

引用元:今年で見納め「梅の公園」 青梅市、ウイルス対策で全木伐採 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

吉野梅郷には、これまでに樹齢約400年の古木「鎌倉の梅」、大きな岩を真っ二つに割るように生えている「岩割の梅」、樹齢約700年の古木「親木の梅」などの名木がありましたが、伐採されてしまったようです。
梅の公園の見事な光景も、今年を最後にしばらく見納めになってしまいますが、伐採を知らせる青梅市などの公表資料には次のように書かれています。

近い将来、梅樹植栽の安全が確認された暁には、梅の名所「吉野梅郷」として必ず再生・復興いたします。

引用元:観梅のみなさまへ:青梅市、青梅市観光協会、吉野梅郷観光協会

吉野梅郷は、個人的にも想い出深い素敵な梅の里です。再び元気な梅の花が咲き乱れる日が早く来ることを願ってやみません。

吉野梅郷・梅の公園

参考WEBサイト

Text:sKenji