漫才素人がM-1グランプリに出てしまった話(前編)

これはアカン……

この冷えた空気はやりづらいぞ……

せやな……

■ビビるポイント その2
 しかし、どれだけ会場が凍りついていても、一発で空気を変えてしまうコンビも
 いるから凄い。数年後にはテレビの賞レース争いの常連になる「銀シャリ」もいた。
 よく、本当にウケたときは爆発音のようにドッ!!と笑い声が響くと言われるが、
 まさにその通り。ウケるコンビは何か違うものを持っていた。しかし、【そのあとの
 コンビにとってはプレッシャーでしかない】だろう。

めっちゃウケてるやん……

これだけウケたコンビのあとはやりづらいぞ……

せやな……

■ビビるポイント その3
 ごくたまに、TVで放送できないようなアブないネタをぶちまけるアマチュア
 コンビも。(国民的アニメキャラに扮してグロ漫才など)

 また、2分間放送禁止用語(エロ)をひたすら連呼するだけのコンビもいて、
 【明らかに変な空気になっていた】。ほとんどのお客さんがドン引きしていたが、
 しかし、やっている本人たちは清々しい表情をしていたから謎。そういう癖が
 あったのだろうか。

めっちゃ放送禁止やん……

これだけドン引きなコンビのあとはやりづらいぞ……

もはや、やりやすい場面ゼロやんけ。

●こうしてボクらは漫才の怖さを散々思い知った。
 本番は翌週―――。



(つづく)

目次ページ