売れないホスト(犬)の裸芸 【噂のホストNo.1】その7

 ホストクラブとは男性従業員が女性客の隣に座って接待をする飲食店。主役はあくまでもお客様である女性です。ホストは女性を良い気分にさせて喜ばせるのがお仕事です。「イケメン!色恋トーク!枕営業!自分の持つ武器を駆使して女性を満足させてみろ!」という成果主義の特殊な世界。そんなファンタジーワールドに迷い込んだ僕のホスト体験記を告白します。

無能なホストは犬と化す

有能なホストはお客さんを店に連れてきて、売り上げを伸ばせる人です。例え1週間に1日しか出勤しなくても1回の売り上げが100万円あればナンバー1になれるのです。逆に、無能なホストは毎日出勤してるのに売り上げがゼロの人です。

使えないホストは俗に『犬』と呼ばれ、一気飲みや恥ずかしい芸をさせて客の笑いを取るような色物キャラとして扱われます。ヘルプ以上の待遇は与えらず、ブサイクなど客からクレームの多いホストです。僕は売り上げの低い駄目ホストだったので、基本的な立ち位置は犬でした。

売れてるホストもヘルプでは犬になる

指名客を抱えるホストでもヘルプになると積極的に犬と化す強者もいます。先輩ホストのヒロヤさんは指名とヘルプでは全く違うキャラクターになる人でした。自分の指名客に対しては2枚目キャラとしてカッコよさげに振る舞いますが、ヘルプでテーブルに着くと狂犬と化します。

客が歌うカラオケに合わせて尻を出すケツ芸を18番としており、曲のリズムに乗りながらパンツの上げ下げを繰り返して半ケツを見せる様は芸術的でした。あまりにも華麗に自然体に尻を見せるので、本人はどんな心理状態なのか不思議です。尻を尻とも思わせないような勢いと爽やかさはサーカスを見ているようでした。

B'zを歌いながらチ○コを見せる日々

自分としては裸になることに抵抗はありません。ただ、どのタイミングで裸になれば一番笑いを取れるのか?そこが難しいポイントでした。最終的にそのタイミングを計ってくれたのはヒロヤさんです。僕がB'zの歌マネをしているとき、サビに入った瞬間にズボンを下ろされて一物をさらされます。「キャー!やだー!」とか叫んで女性客は恥ずかしがるものの、嫌がるのは最初だけで後は喜んで笑ってくれます。

こうなるとチ○コを出すことが快感になってきて、「早く出しくれー!」と心の中で祈り始めるのです。酒も飲まず、トークもせず、チン○を出すだけで笑いが取れるほど簡単な芸はありません。裸芸は日増しにエスカレートしていきます。最終的には氷を掴むトングでチ○コを挟まれたり、下半身を露出させたまま、ヒロヤさんに陰茎のイラストを描かれたりやりたい放題でした。ホストクラブは接待以外の風俗的なサービスは禁止されていますが、実際はこれくらいが普通です。

ハチという源氏名を付けられたホスト

僕と同じ犬系のホストで『ハチ』さんという人がいました。ハチという源氏名の由来は忠犬ハチ公から取ったそうです。源氏名を付ける時点でコイツは犬だと決めつけるなんて酷い話です!よくよく考えると自分の源氏名も『イナバ』で名字なわけです。源氏名を付ける段階で、売れそうもないホストはまともな名前を付けられないことが分かりました。ハチさんはヘルプに付く度に一気飲みさせられて泥酔していました。泥酔したハチさんはソファーに寝かされると、ヒロヤさんに服を脱がされて全裸のまま放置されます。その姿は芸術的で古代ルネサンスの石の彫刻のようでした。股間に『夢』という1文字が書かれた張り紙を付けられていたことが印象的です。