代々引き継がれていく“仁右衛門さん”
千葉県、房総半島南部の海岸沿いにある鴨川市。その市街地から2.5kmほど離れた、小さな港町より行き来できるのが仁右衛門島です。面積およそ0.03km2、人口も一世帯が暮らすのみの小ぶりの島ながら、他に有人島の無い千葉県内では必然的にいちばん大きな島だったりもします。 その一世帯、島に暮らす一家こそが平野仁右衛門さん一家。そうです。この平野仁右衛門さん、そのまま島の名前になっているのです。別名に蓬島、波太島という名前もあるのですが、仁右衛門島という呼ばれ方が一般的。それもそのはず、伝統的に平野仁右衛門を襲名する独特の家系ゆえ、代々“仁右衛門さん”は引き継がれていくんだとか。
島は渡船場から泳いでいけるんじゃないかと思えるほど。「目と鼻の先」なんて言葉が非常にしっくりきます。そんな航路を結ぶのが手漕ぎの船。渡船場と島の間は薄めの碧い海、それに一部荒々しい岩肌がむき出しになっている仁右衛門島、手漕ぎの船はそれらの風景と妙にマッチしていたり。 夏の島では、そんな濃淡鮮やかな海での海水浴やバーベキューを。冬の島では、房総半島を横目に広がる大海原を臨みつつ、岩に腰かけて釣りを。「新日本百景」にも選ばれた千葉県屈指の景勝地です。
仁右衛門島の見どころ
島を遊ぶ
海水浴(仁右衛門島周辺) (地図)
泳ぐ前に島の周囲をぐるっと見渡して見ましょう。同じ海でありながら、それぞれ違ういくつかの「あお色」を感じることが出来ます。同じ海でも眺める色で楽しめそう。メインは岩に囲まれた、少し変わった見た目の海水浴場。浅瀬で泳ぎやすく、天然のプールのような雰囲気で、大人はもちろん子供もよく見かけます。少し裏へ回ると人気が減り、一転プライベートビーチ(?)に・・・。どちらも潜ってみると、小ぶりで色鮮やかな魚たちがいっぱい!!
※ お手洗い、シャワー、ロッカー完備 ※ 岩に囲まれている範囲で遊泳を。沖に出ると急に流れが速くなるので注意!
バーベキュー場 (地図)
島は整地され、バーベキューができる区画があります。宿泊を伴うキャンプはできませんが、テントを張ることは可能ですので、各々スペースを確保して楽しんでいる光景が広がります。※ バーベキューは海側の岩場のみ。
※ 終了後は完全消化。 ※ ゴミは原則持ち帰り。持ち帰り不可能なものは分別して捨てること。
景色を楽しむ
源頼朝のかくれ穴 (地図)
1180年(治承4年)、石橋山の戦に敗れた源頼朝が仁右衛門島にてかくまわれた際、夜襲から逃れるために身をひそめたと言われています。
※ 源頼朝とかくれ穴にまつわる記事です。【島の歴史】仁右衛門島に逃げ込んだ源頼朝!?
神楽岩 (地図)
日蓮聖人が旭を拝んだ場所と伝えられる場所。東に広がる海は何ひとつ障害も無く、水平線が広がっています。
島主の住居 (地図)
島主である平野仁右衛門さんの住居。ごつごつした岩場から一転、味わいのある堂々とした建物で、一見すると普通の民家です。しかし、建築されて実に300年以上が経過しており、中には掛け軸や画が飾られています。随所に島にまつわる伝説や伝統を感じさせます。一家の方々とお話する機会があれば、ぜひ色々と聞いてみても良いでしょう。※ 島主の住居に関する記事です。【旅レポ】代々”仁右衛門”を襲名する、島に唯一の家族。「でもなんてことはない、普通の島人」だった。
住居奥庭 (地図)
住居をぐるっと回った奥庭です。樹齢600年にも及ぶというソテツや、鯉が泳ぐ池、住居の縁側など、どこか昔懐かしい雰囲気がにじみます。
句碑
島には色々な俳人の句碑が至る所で見られます。いずれも、俳人らが島を訪れた際に詠まれたものばかりで、松尾芭蕉、水原秋桜子をはじめ、いくつかあります。確認しながら島内を散策してみるのも良いかも知れません。
見晴台 (地図)
その水原秋桜子の句碑がある場所。そこからの景色が最高で、見晴台とも呼ばれています。太平洋を一望するならココもありです。
仁右衛門島の情報あれこれ
【名 称】仁右衛門島(にえもんじま)
【所在地】
(地図)
【面 積】0.03㎢
【周 囲】
4km
遊 び
海水浴、シュノーケリング、バーベキュー、磯釣り、磯遊び、散策
食べる
サザエ、アワビ、活魚料理、ところてん、ひじき(仁右衛門島周辺にて)
郷土料理
(渡船場向かい「カフェビーンズ」)
変わりモノ
金銀針茄子
お土産に
仁右衛門島オリジナルグッズ(ストラップ、マグネット、キーホルダー、絵葉書、タオル、手ぬぐい)、鯛せんべい、鴨川の塩、千葉県鴨川産ひじき、ところてん
マスコット
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