東京タワー。今なお東京のシンボル的存在のはずなのに、乗客からただよう「キミじゃないんだよなぁ」感・・・。同行した友人にいたっては、後ほど「え!東京タワー見えてたの?」と言う始末。
それもこれもコイツのせいだろう。東京スカイツリー。サービスでかなり近づいてくれた。ありがたや。スカイツリー周辺は他に高層ビルも無いためか、いっそう目立っているのが印象的だった。どこに飛ぼうがスカイツリーは見えているもんだから、ついつい目を奪われてしまう。
高層ビルって天井はヘリポートなのか。野球のグラウンドとか、意外とアウトドアスポーツの施設が多いなぁ。それにしても線路が多すぎる。なんとなく知っていたことも、改めて感心する。
思えばそれほど怖くもなかった・・・?
最初の不安もどこへやら、終わってみると感動しっぱなし。贅沢な時間を過ごすことができた。地上だと電車を乗り継いで、それなりの時間が掛かりそうな東京名所めぐり。ものの15分で、しかも”あまり多くの人が体験しないであろう角度”から見てしまった。
たとえば”ドラえもん”のキャラクターたちは、いつもタケコプターでこんな景色を味わっているのだろうか。それにしては、小学生の分際で落ち着きすぎじゃないか。彼らはもっと空からの景色に感動するべきだ(なんのこっちゃ)。あっという間の遊覧飛行はこうして終わった。
もう少し、余韻を・・・
「じゃあそのまま自由解散ですんで」案内係の社員さんが言う。早っ。13時45分集合。フライト15分。なんだかんだで東京ヘリポートに集合して1時間もしないうちに、解散となった。別に長居したいわけじゃないけど、もう少しこの非日常体験の余韻に浸りたいのに。
乗客8人誰もがそんな気分だったのだろうか。東邦航空社内のロビーで雑談。「今回のは良かったわね。南アフリカで乗った時は揺れに揺れて怖くて怖くて。」
乗客の一人の年配の奥さんが言う。高そうなアクセサリーが光った。「夜のフライトも綺麗だったけどね。でも、なんとなく綺麗なだけで、今日みたいにどれがなんていう建物かまではわからなかったものよ。ただ、夜の方が断然ロマンチック。」
今回はあくまで抽選で当たったイベントだが、この奥さんは何度も遊覧飛行を経験しているようだ。・・・これが、ベテラン・・・。(!)
隅田川の花火大会を見て誓う
その日の夜、隅田川にて大規模な花火大会が行われた。その夜は特に予定も無かったので、筆者も行ってみた。熱中症にでもなりそうなほどの人ごみ、大行列のなか散々並ばされる。その間は花火がビルに隠れて、まともに写真も撮れない。並んで待って待って待って、ようやく隅田川の橋の上にたどり着くと、そこでいよいよ花火が見れるのだ。結局1時間30分並んで、最後に少しだけまともに見れた。いつもの花火が打ちあがるその横に、今年はスカイツリーがそびえ立っている。花火とスカイツリーのツーショット、これが今年の目玉と言っても良いだろう。花火が開くタイミングで浴衣姿の観衆がこぞってシャッターを押す。私服だった筆者も一緒になって押した。
やっとの思いでまともな写真が撮れた。自分は幸い花火写真が撮れたけど、後ろにはまともな写真も撮れず、花火が終わってしまった人もいるはずだ。ふと、空を見上げると、上空スカイツリーの近くを悠々と飛行するヘリコプター。あぁ、きっとあのヘリには、あの奥さんみたいな人が乗ってるんだろう。
「今度は遊覧飛行で花火を見下ろせるくらい、頑張ろう。」そう、心に誓ってみた。