コチニール色素入り食品の未来は?

スタバが発表した、ちょっとびっくりなこと

 アメリカのスターバックスコーヒーが、6月末までにコチニールから抽出した着色料の使用を取りやめると発表しました。(2012年4月20日、CNNなどが伝えました)

 対象となる商品は、ストロベリー&クリームフラペチーノなどの飲料と、ラズベリー・スワールケーキ、ピンク色のトッピング付きミニドーナツなどとのこと。いずれも赤やピンクの色合いを出すためにコチニールが使われていたようです。

 アメリカではコチニール色素の使用は規制されていないため、表示義務はありませんでしたが、完全菜食主義者からの問い合わせに応え声明を発表。2012年3月27日のNewsweekは「スタバ究極の無添加フラペチーノは昆虫風味」(ネット・日本語版)と報じていました。

 コチニール色素は、世界中でごく一般的に見られるカイガラムシの一種で、コチニールカイガラムシ(ウチワサボテン属ベニコイチジクに選択的に生息します)と呼ばれる昆虫から抽出された天然色素です。

 古くからテキスタイルの染物に使われてきた他、カニかまぼこ、ジャム、キャンディやゼリーなどに利用されています。かつてはリキュールのカンパリの鮮やかな赤色もコチニールによるものでした。

 たしかに昆虫は動物だから、完全菜食主義者の人にとってはすごく気になるところだったのでしょうが、

 「コチニール ⇒ ムシ ⇒ イヤ!」

 という反応もあったかもしれません。

 このニュースが「虫の色素のコチニールはイヤ」⇒いちご牛乳やイチゴ大福、カニカマなどの食品で人工色素の利用拡大という方向に進まないことを祈ります。

★どうして食品に色を付けなきゃならないんだろう、みたいな議論があると、深~い話になりそうなのですが。