ボーイスカウトのスパルタ教育 【青春の1ページ】

私は小中学生時代にボーイスカウトに入団していました。

ボーイスカウトのイメージというと・・・野山や森を探検して、大自然とふれあい、川で魚を釣り、山菜を取り、キャンプ場でカレーを作り、夜はキャンプファイヤーで

盛り上がる。サバイバルは新鮮で楽しいことばかり!こんな感覚で入団したものです。

しかし、いざキャンプインしてみると・・・

初日から超スパルタ!炎天下の中、エビ結びという難易度Aのロープ結びを覚えさせられ、出来ない人は夕飯抜きというプレッシャーのなか、半日かけて必死にロープと格闘しました。

意識がもうろうとするなか、日が落ちる頃にようやくエビ結びを習得。

そして晩ご飯。何が出てくるのか楽しみにしていたところ、団の隊長が大量の米と野菜、肉を炊事場に持ち込んで言いました。

隊長「よーし、これでカレーを作れ!作り方は自分で考えろ、食べ残しは許さんぞー!」

どうみても10人前はあり、私たちの班の5人ではとても食べきれる量ではありません。

料理を知らない小学生が、無理やり10人分の食材を調理して食べました。食べるというより、胃に押し込む感じで・・・

隊長「おーい、全部食べたかー?」

しばらくすると、鬼のような形相の隊長が炊事場を見回りにきました。

私「ちょ、ちょっと待ってくださーい!」

私は班の人達と、大量に食べ残ったカレーの処理について話し合いました。

考えたあげく、近くの川に行って残ったカレーを全部流して捨てました。

そして就寝・・・テントに戻って寝袋にもぐり込み、疲れきった体を癒していました。

夜中の12時。みんながようやく寝静まった頃・・・

「ガタッ!」

突然テントが倒れてポールが頭を直撃しました。驚いて外に出ると隊長が目の前に立っています。

隊長「杭の打ち込み方が甘い、もう一度立て直せ!」

テントが倒れた原因は風でも嵐でもなく、隊長がテントの杭を引っこ抜いて倒したのです。暗闇の中、泣きそうになりながら懐中電灯の光を頼りにテントを立て直しました。

ろくに眠れないまま、5時半起床・・・

朝礼の時間。朝日が目にしみるなか、国歌をBGMにして国旗掲揚を始めます。これが難しく・・・手順通りに国旗をポールに結び付けたつもりが、旗が上がってくれません。

隊長「おい、なにやってんだ!」

突然隊長が怒りだし鉄拳が・・・この後は・・・ご想像にお任せします。

今ではこんなスパルタ教育は考えられませんけど、20年くらい前の出来事です。

ボーイスカウトといっても全国に沢山の組織があるので、団によってカラーが全く違うようです。同じ地域の別の団では、キャンプ中にお昼寝や森林浴の時間がある楽しいボーイスカウトでした。私が所属していた団はかなり特殊だったらしく、まるで軍隊のように鍛えこまれました。

あの経験が大人になって生きているのかトラウマなのか・・・自分にはわかりません。

確かなことは、忘れようにも忘れられない青春の1ページだということです。