ガソリン価格の半分以上が税金だと知っている人は多いと思います。では、具体的にどくらいの割合が税金なのでしょう。現在のところ、1リッター当たり53.8円がガソリン税です。私たちがガソリンスタンドで給油するガソリンには、このほかに、石油税(1リッター当たり約2円)、原油関税(1リッター当たり約0.2円)がかかっています。さらに、ガソリンでは、これらの「ガソリン税」「石油税」「原油関税」が含まれた価格に消費税がかかります。つまり、ガソリンに関しては、二重課税の状態になっています。
ガソリン税とは、「揮発油税」と「地方道路税」を総称して、一般にガソリン税と呼ばれています。「揮発油税」は国税、「地方道路税」は国が課して地方に譲与する地方譲与税です。その内訳は、「揮発油税」が1リッター当たり48.6円、「地方道路税」が1リッター当たり5.2円です。しかし、この税金は本来の割合ではなく、暫定的に増税されたものなのです。本来であれば、「揮発油税」が1リッター当たり24.3円、「地方道路税」が1リッター当たり4.4円となるべきところを「暫定的」に増税されているのです。
暫定とは「仮に」とか「一時的に」という意味合いですから、しばらくすると戻るだろうと思うのが一般的ですが、実は、1974年から「暫定的に」導入され、再延長を繰り返しています。最近では、2008年3月末に一旦期限切れとなりましたが、2018年3月まで延長されました。ちなみに、一般にガソリン税と呼ばれる「揮発油税」と「地方道路税」は、キロリットル当たりの税額が定められていますので、国土交通省などのホームページなどに「税率」と記されているのは本来は正しくない表記です。慣例的に使われているものと思われますので、「パーセント」と間違わないように注意が必要です。
現在(2012年3月時点)のガソリン価格の高騰は、税金とは関係ありませんが、私たちに身近なガソリンです。価格の内訳を知っていて損はないと思います。