体験から学ぶ Part10 ~世界最長の木造歩道橋を渡る~

先日、家族で島田市に流れる大井川に架かる「蓬莱橋(ほうらいばし)」に行ってきました。

蓬莱橋と言えば、世界最長の木造歩道橋として知られていますが、これまで一度も渡ったことがありませんでした。

ギネスブックに登録されているということもあって、「日本一や世界一」という言葉にめっぽう弱い私はいつか一度は渡ってみたいと思っていましたが、ようやく家族で訪れることができたのでした。

越すに越されぬ大井川

大井川と言えば「越すに越されぬ大井川」という箱根馬子唄の歌詞にもあるように、昔は東海道最大の難所として知られていました。

駿河と遠江の国境に流れている大井川は、江戸時代には防衛線として橋を架けたり船を使うことが幕府によって禁止されていたそうです。

大井川を渡るには、川会所で人足(にんそく)という人にお金を払って、担いで運んでもらう必要がありました。

当時の資料については、島田市博物館のホームページでも見ることができます。

蓬莱橋の近くを歩いていると、こんなマンホールを見つけました。
なるほど、昔はこんな風に川越えしていたんですね。

マンホールの右上には「島田宿」の文字。
蓬莱橋ができる以前は、大井川が増水すると旅人は何日も足止めされたことから、ここ島田宿(東海道五十三次の23番目の宿場)は多くの旅人で賑わったようです。

明治時代になると、牧之原台地でお茶の栽培が始まり、お茶の流通のため蓬莱橋が作られました。

蓬莱橋は台風などで何度も流されてきましたが、その度に修復を繰り返し、その歴史的価値から今でも人が渡れる状態で保存されています。

平成30年には、蓬莱橋の長さ(897.4m)から名前をとって、「厄無し茶屋」がオープン!ただ、この日は時間が早すぎたのか、残念ながらお店はまだやっていませんでした・・・。

ちなみに、蓬莱橋も別名「厄無し橋」とも呼ばれるようです。

渡橋料は、大人100円、なんと子供は10円という安さ。自転車も100円払えば通行できます(自動車は不可)。

さっそく橋を渡り始めると、このように木が痛んでいるような箇所もあり、歩いていると「キュッキュッ」と鴬(うぐいす)張りのような木の軋む音がしていました。このような音が聞けるのは、古い木造橋ならではの楽しみの1つです。

写真の右側にはソーラーライトが埋め込まれています。
夜間は橋全体がグリーンにライトアップされるようで、幻想的な蓬莱橋が見られるようです。

ここは最近の台風で流されたところでしょうか。
明らかに木の色が違います。

このように、ところどころ応急処置的に補修されたような箇所もありました。

ちょうど橋の真ん中あたりから見た大井川の景色です!

橋の上から大井川を眺めていると、昔は大勢の旅人がこの大井川を歩いて越えていたんだなぁと、ふと感慨深い気持ちになりました。

こちらは橋を渡りきった対岸。お土産屋さんやちょっとした休憩スペース、少し歩くと展望台があります。

こちらからも蓬莱橋を渡ることができるようになっています。

体験は一生物

今回、蓬莱橋に家族で訪れたのは私が行ってみたかったからという理由以外にもう一つあります。

それは子供たちに実際の体験として、蓬莱橋を渡らせてあげたかったからです。
最近、長男の小学校の教科書に蓬莱橋のことが書かれていたようですが、ただ知っているのと、実際に見て体験したのとは、まったくの別物です。

実際の体験は、生涯ずっと生きた知識として自分の中に残るものです。

長男は教科書を使っての学習には弱いところがありますが、こうして体験して学んだことはしっかりと彼の糧となり自信になっているようです。

もっと色々な経験をさせてあげて、自ら考えて実行できるそんな大人になれるようサポートをしてあげられたらと思います。