いろいろな「モノの循環」

無印良品を愛用している我が家。家の中の様々な生活用品が少しずつ無印に浸食され続け、それまで使っていたモノが使えなくなったり、消耗したのであれば、いつの間にか無印に替わっていきます。(もともとは妻だけが使っていたが、自分も影響されて使い始めるようになった)

無印良品を一度使った方であればわかると思うのですが、すべての商品に共通しているのは、とにかくシンプルであること。そして、想像を大きく上回ることはそれほどないのですが、その代わりに「これ買っとけば間違いないよね。」と失敗がほぼ無いことも魅力に感じています。

そして、商品をどう使うかもその人次第。自由度が高いデザインだから、買った人の捉え方次第で用途も変わってきます。

一度行ってみたかった

一度行ってみたかった場所に先日やっと行くことができました。

それは「無印良品 銀座」です。

立ち位置としては、無印良品の魅力を世界各国に向けて発信する旗艦店。他の店舗には売られていない食品が並んでいたり、食堂、ベーカリー、さらにはホテルまで展開されており、ビルまるごと無印の世界観が詰まった場所なのです。

店内を簡単に紹介すると、

地下1階がレストラン。無印らしくやさしい味付けや自然の恵みを生かしたメニューになっています。(今回は利用しませんでした)

入り口がある1階は食品が中心。おなじみレトルト系やお菓子類、ドリンク類など他の店舗でも見かける商品はもちろんのこと、ここでは青果物も売っています。全国各地から取り寄せているので、珍しい食材も並んでいました。

2階~5階は衣類、家具、生活雑貨など各フロアともに豊富な品揃えかつ無印ならではの店内装飾がされており、ムジラーにとってはたまらない空間です。

サービスも多数展開しています。特にいいなと思ったのが、子ども関連のモノの循環をテーマとしているサービス。「つながる絵本」というサービスは、読まなくなった絵本3冊を持参することでコインをゲットし、他の子が持ってきた絵本2冊と交換できるというもの。新しい絵本を選ぶのも楽しいですし、絵本を通じて次の世代の子どもとつながることもできます。

絵本と並んで処分に困るのが子供服だと思います。こどもの成長につれて着れなくなった服が出てきたら、持参しこれから必要な子どもに渡ります。MUJIマイルや新しいこども服と交換ができるので、どちらも楽しくモノが循環していく仕組みだと思いました。

廃材を使って何ができる?

そして、このビルの最上階にあるのがMUJI HOTEL(無印が手掛けるビジネスホテル)。繁忙期など時期によって料金が変動するのがホテル業界の常識となっていますが、このホテルはどの時期に泊まっても同価格。(デザインに限らず、料金体系もシンプル)

と、ここまでほぼ無印良品について語るだけになってしまいました…。

無印の世界観も大事なのですが、今回この「無印良品 銀座」に訪れた際に気になったのが、ホテルと同じフロアにあるアトリエで行われていた美術展です。

まず目に留まったのがこちらです。

ペットボトルを押しつぶして固まりにしたもの。約176kg分あるそうです。

続いて展示スペースの中央に置かれていた船。

プラスチック廃材を使用してできた船で、床部分はペットボトルの蓋のようなもので敷き詰められていました。この船はオランダを中心として活動しているプラスチック・ホエール(Plastic Whale)という会社が手掛けたものです。

アムステルダムの運河で、水面に浮かぶ廃棄物を乗客がフィッシングネットで釣り上げる有料のボートツアーを日々運航しています。

引用元:「廃業を目指すデザイン」展 | ATELIER MUJI | 無印良品

なんとも斬新なツアーです。この船に乗り、運河でごみを釣ることがアクティビティになってしまうのです。

こちらはモノファクトリーという日本の会社が手掛けた展示。パソコンのキーボードも場合によっては装飾にもなります。

捉え方次第で

着古した子供服だって空のペットボトルだって、人の捉え方(というかこちらに展示されているのはひらめきだと思う)によって「ゴミ」にもなれば「価値あるモノ」にもなる可能性もあるのだなと。

環境問題に対して自然と前向き(楽しく続けられる)になれる仕組みやこうした発想が面白かったです。