昨日、新元号が発表されました。
自分が生きている間に2回も元号が変わることに立ち会えたことに、感慨深く思います。昭和から平成に変わったとき、まだ幼くあまり記憶にありませんが、5月1日に元号が変わることで、いったいどんな影響があるのか気になったので調べてみました。
元号の歴史
新元号の改正で何が変わるかの前に、元号の歴史について調べてみました。
元号の歴史は飛鳥時代(西暦645年)にさかのぼります。飛鳥時代以降、元号は現在までで248回も改元されています。単純計算で約5年半に1回、改元されている計算です。
現在は「一世一元」が当たり前となっていますが、これは明治時代以降のことで、それ以前は天災や疫病の流行、飢饉の度に改められることがほとんどでした。災いをリセットするためというのが理由だったようです。
現代では疫病の流行や飢饉はほとんどありませんが、平成で言えば、阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの大災害ごとに改元されるイメージですね。
現在の元号は「元号法」に基づいて下記の基準で決定されることになっています。
1.国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
2.漢字2字であること(3文字以上は不可。但し、749年から770年にかけては、漢字4文字の元号が使用されている)。
3.書きやすいこと。
4.読みやすいこと。
5.これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと(過去の元号の再使用は不可)。
6.俗用されているものでないこと(人名・地名・商品名・企業名等は不可)。
ちなみに現在、元号制を採用しているのは全世界で日本だけです。日本人であれば、昭和の時代や平成の時代と聞くだけで、それぞれの時代にノスタルジーを感じることができます。こんな思いに浸ることができるのも日本だけです。
システムへの影響
元号改正でまず間違いなく影響があるのが、元号を使用したシステムへの影響です。
以前、2000年問題が起こりました。2000年問題では、古いプログラミング言語が下2桁で西暦を表す仕組みを取っていたことで、2000年に代わるタイミングで「00」を「1900年」と誤認識してしまうことが、プログラムの誤作動を引き起こすことが懸念されました。
また、2000年が400年に一度の特殊な閏年であったため、平年と勘違いしてプログラムが作られていたケースもありました。
これにより、航空管制システムの機能停止、インフラの機能停止、原発などの発電施設の誤作動、ミサイルの誤発射等の懸念がなされました。
これらの懸念に対して、世界中のシステムエンジニア達が徹底的にプログラムの修正してくれたおかげで、懸念されていたような大きな問題は起こらず、無事2000年を迎えることができました。
その際に多くのシステムで元号改正についても先を見越してシステム改修されたようです。その後に開発されたシステムも同様に、元号改正を考慮してプログラムされているため、今回の元号改正では、2000年問題と比べればシステム面での問題はあまり心配がなさそうです。
ちなみに、和暦は役所や銀行に多く使用されています。そもそも銀行や役所はなぜ和暦を使い続けるのでしょうか。西暦に統一すればこんな問題は生じません。
これについては、日本では正式に歴として定められているのが西暦ではなく、元号による和暦であり、和暦による書類が慣行で使われ続けているのが理由のようです。24時制でなく、12時制が使用されているのも同様の理由です。
国民生活への影響
では、私たち国民生活への影響はどうでしょうか。
政府は改元による国のシステム改修は順調で、国民への影響は与えない見込みと謳っています。
影響があるとすれば、改元による祝日変更が反映されていないカレンダー、手帳をお持ちの方は、祝日を間違えないように注意が必要な点でしょうか。
また今回は改元が10連休と重なっています。私の地域では新天皇即位を屋台を出してお祝いしようという声も上がっています。そのため連休中にある程度の出費を見越してあらかじめ銀行でお金を下ろそうと思っています。
その際、10連休という大型連休に備えて、連休前後に窓口やATMが混み合うことが予想されます。余裕を持って早めに銀行に行っておいた方が良さそうです。皆様も特に窓口で必要な手続きがある場合には、連休前に早めに済ませておきましょう。
また改元に便乗した詐欺や消費者トラブルの被害が報告されています。
・「天皇陛下の退位を記念したアルバムを購入しないかと電話で勧誘された」などの電話勧誘販売
・「注文していないのに、皇室に関するアルバム※が届いた」などの送り付け商法
・「改元で法律が変わるという通知が実在する団体名で届き、口座情報や個人情報を記入して返送してしまった」などの口座情報等やキャッシュカードをだまし取る手口
特に高齢者がトラブルに巻き込まれているようです。ご両親や地域の高齢者に対しても、十分に注意喚起しましょう。