年末になって飲みに行く機会が増えたと思います。忘年会をいくつもかけもち、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、「飲み会」に関してテレビ番組でよく聞く「芸能人のカッコいいエピソード」でこんなのがあります。
若手芸人10名ほどが集まって打ち上げをしていた店に、先客としてたまたま大物芸人「A」がいた。若手芸人の中には「A」と面識のない者もいたが、全員であいさつに行った。
大物芸人「A」は軽く二言三言応じた程度で、少しすると食事を終えて店を出たらしい。その後も若手芸人の打ち上げは何時間か続き、最後に会計しようとすると、店員がこう言った。
「お代は、Aさんに頂いております」
(若手芸人一同)「Aさん!!カッコいい~!!!」
みたいなヤツです。Aさんはレギュラーを何本も持っている大物芸人ですから、利用限度額が無制限のブラックカードか何かで払っていったんでしょう。
…なんて考えるのですが、ちょっと待ってください。このように「先に払う」ことって可能なんでしょうか?
金額が確定していない
大物芸人「A」は若手芸人たちより先に店を出ています。つまり「A」が若手芸人の分まで先に支払おうとしても「金額は確定していない」わけです。じゃあどうやって払ったんでしょう?
わたしたちがクレジットカード払いをする時、カードを提示するのは「金額が確定したあと」です。その上で「購入した金額(レシートなど)」と「カード利用金額(利用票)」が一致しているかどうかを確認することができます。
でも上の例では金額がまだ確定していません。仮に定額の「飲み放題コース」だったとしても、場が盛り上がれば「飲み放題の時間が終わって、通常メニューを追加注文」なんてよくある話。
ましてや「憧れの大物芸人に声をかけてもらった」若手芸人のことですから、テンションが上がってどんどんお酒が進んでしまう可能性がかなり高いでしょう(知らないけど)。
常連だったら「ツケ」?
そこで考えたのが「ツケ」という手段。確かに、その店が「A」の行きつけである場合には「きょうの若手の分は僕にツケといてくれるかな。次回来た時に払うから」ということもあり得ます。
でもお店にとって「現金収入」というのはとても大事なもの。仮にツケが可能だったとしても、それじゃあなんとなく「カッコよさに欠ける」気がします。だったらどうやって払えばいいのでしょう?
財布はパンパン
それでもうちょっとツッコんで調べてみたところ、有力と思われるひとつの推論として
「現金を多めに置いていく」
というのが浮かび上がってきました。しかも
「お釣りは若手の子たちにあげておいてよ」
というおまけつき。これで「A」さんの株はさらに上がるわけです。
そういえば豪快な人が多かった昭和の芸能人の中でもさらに気前が良いことで知られる、故・松方弘樹さんのサイフには、常に300万円ぐらい入っていたそうです。それならお店で「時代劇で斬った大部屋俳優さんの集団」にバッタリ会っても「きょうも斬ってごめんね♪」と言ってごちそうできるでしょう。
時代は平成。テレビでたまにやっている「芸能人のおサイフ拝見」でもゴールドカードやプラチナカード、ブラックカードが見えたりしますが、大物芸能人は「大物としての緊急出費用」の現金もたくさん持ち歩かなければならないのかも知れません。
いろいろ方法を探ってはみたものの、「自分がやることはない」ので取り越し苦労でした。お金持ちは大変ですね。