ことしから「セルフメディケーション税制」が始まります。期間は限定されていて2021年まで。この制度を利用するには確定申告をすることが必要なので、申告するのは来年から2022年までの間ということになります。
この制度、従来からある「医療費控除」と併用することはできません。仮に両方を受けられる人でもどちらか一方を選択することになります。では両者の違いを簡単に併記してみましょう。
・医療費控除…治療のためにかかった1年間の医療費で10万円を超えた分
・セルフメディケーション税制…健康の維持増進や予防のために購入した1年間の薬代で12,000円を超えた分
ということになります。医療費控除の対象は基本的に「病院や調剤薬局で支払った金額(例外あり)」なのでわかりやすいですが、「セルフ…」の「健康の維持増進や予防のために購入した薬」って何でしょう?
スイッチOTCって何?
セルフメディケーション税制の対象になる薬は指定されています。定義でいえば「スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般医薬品のうち医療用から転用されたもの」ということになりますが、大ざっぱに言ってしまうと
・かぜ薬
・アレルギー性鼻炎の薬
などは多くが対象になっています。また「ロキソニン」や「ガスター10」「リアップ」など、町のドラッグストアで「薬剤師がいないと購入できないもの」もスイッチOTCです。
対象となる薬のパッケージには「セルフメディケーション税控除対象」という識別マークが記載されているのですぐわかります。
さらに例えば「マツモトキヨシ」だと「商品名の後ろに★マーク」、ウェルシアだと「商品名の前に◆マーク」というように、レシートでもわかるようになっています。
健康増進に取り組んでいる証明
実はセルフメディケーション税制は誰でも受けられるものではありません。「自分の健康増進や病気の予防に取り組んでいる人」であることが条件で、それを証明するために
・特定健康診査(メタボ検診)
・予防接種
・定期健康診断
・健康診査
・がん検診
などを受診し、確定申告時にその領収書等を提出する必要があります。
会社負担の場合は?
上記の健診等を「会社負担で受けたよ」という人はその「結果通知表」を提出します。もしない場合は会社に証明書類の発行を依頼しましょう。
すでに12月に入っていますが、対象となる薬はかぜ薬、アレルギー性鼻炎の薬、頭痛薬など比較的単価の高いものが多く、継続して飲用するアレルギー性鼻炎の薬などは「買いだめ」すれば12,000円を超えるご家庭はけっこう多いのではないでしょうか。年末に向けてチェックしてみましょう。