昨年オープンした広野のイオンに立ち寄ったら、パパと手をつないで駐車場からスキップしてお店に入っていく姿が目に入った。春の日差しを浴びたその景色はとても鮮やかなものだった。
開店当初から、広野町にイオンができたのことは地域の人たちの間では大きな話題だった。「やっと買い物するのにいわきまで行かなくて済むようになった」という話、「でもね、生鮮品はほとんど置いていないのよ」「この辺の人たちは、台所でご飯を作るという習慣が薄れて、いつもお弁当。だから、いざスーパーが出来ても、料理を作ることが億劫だったりするのかもね」といったお話しなどなど。
広野のイオンに入るのは、わたしとしては3回目。前より少し、生鮮食品の棚が増えたような気がした。足下のタイルの数で数えると、お魚売り場は刺身や牡蠣、干物など含めて2m弱。肉売り場は3m半ほど。野菜と果物売り場は入口正面に設えられた2m位の長さに並べられた箱が2列。
ちょっとは増えたかなとは思うものの、全部で20列以上ある売り場の棚の面積に比べると少ない。
だけど、コンパクトに纏められたスーパー部分の売り場の様子と比べて、これまであまり意識しなかったことが恐縮ではあるのだが、フードコートはとても広い。
日中にお休み時間があるものの、昼食時、夕食時に対応してオープンするらしい。
訪れたのが夕食前の時間帯で、フードコートのお店はカーテンを閉ざしていたものの、店内にJリーガーたちのサインが目一杯記されたユニフォームが飾られていたのは、さすがJヴィレッジのふるさと広野だ。
広野のイオンのすぐ近くには、福島県立ふたば未来学園高等学校もある。
原発事故後、ここから始まる未来がある。
もちろん不安もあるだろう。そんな現実の中、広野のイオンの駐車場でスキップする子ども連れの姿がある。
未来、現実、未来、現実、未来…
ここにある現実はわたし達と切り離すことができないもの。そしてここに息づいている未来もまた、わたし達と切り離すことはできない。