お茶うけに「弁慶力餅」山歩きの行動食にもどうぞ

岩手県在住の知人を山歩きに誘ったら、その日は都合が悪いからゴメン。代わりにって訳じゃないが、山にこれ持ってけとお菓子を頂いた。

最近、各地で熊出没のニュースが相次いでいるので、ひとりでの山歩きは少しびくびくものだったのだが、最初の休憩でそういえば…と頂いたお菓子を出してみると、それは平泉名菓「弁慶力餅」。

琥珀色に輝くその餅菓子を一口食べたら、不思議と力がみなぎってくる感じがした。弁慶&力餅とのネーミングで暗示にかけられたという訳ではなくて、甘さといい、弾力のある食感といい、中に入ったクルミとほのかな醤油の風味といい、山歩きのレーション(行動食兼非常食)にもってこい。「このレーションがあれば」と勇気百倍。ひとり山歩きの不安も吹っ飛び、山頂まで楽しく山歩きを満喫できたのだった。

この「弁慶力餅」、地元ではたいへん有名なお菓子だ。岩手県観光ポータルサイト「いわての旅」では次のように紹介されている。

平泉町にある、大正4年から続く老舗の菓子店「吉野屋」を代表するお菓子。弁慶力餅はくるみゆべしで、作り方や味を変えることなく、創業以来、愛され続けてきたお菓子です。

引用元:銘菓 弁慶力餅 | 「こちら岩手ナチュラル百貨店。」 いわての旅:いわて観光/旅行ポータルサイト

創業から101年にもわたって守り継がれてきた味というところが素晴らしいではないか。大正・昭和・平成と時代を越えて、多くの人に愛されてきたからこその1世紀。どんな人がこのお菓子を口にしたのか想像してみても楽しい。

このお菓子の伝統には及ばないものの、平泉では春の藤原まつりで、総重量160kgの力餅を抱えて運ぶ弁慶力餅競技大会が行われており、今年で91回を数えているのだとか。

ちなみに、ゆべしは源平合戦の時代に保存食や携行食として誕生したという説があるらしい。ということは、京都から東北に逃れた源義経、弁慶らの一行が平泉の地に伝えたなんて歴史があっても不思議ではない。

おいしくて、元気もみなぎる名菓「弁慶力餅」。歴史のロマンまで感じさせてくれるこのお菓子のお求めは、平泉駅前の菓子工房 吉野屋さんでどうぞ。

[追記]菓子工房 吉野屋さんの若旦那(吉野崇)さんやおかみさんは、音楽で被災地を支援する活動を続けている。「大根コン」もよろしく!

大根コン

2011/03/26 にアップロード

岩手県平泉在住のお菓子職人、吉野崇さん作詞作曲、 いわてみんなのうたで話題の「大根コン」の最新録音。モックヒルレコードより4月発売­予定のアルバムに収録。崇くんの優しい歌声とキッズたちのまっすぐな声が心に響きます­。震災に見舞われた日本の全ての人の応援歌となる曲。