【熊本地震点景】烈震では50kgの石が横に飛ぶ

熊本県益城町の石垣崩壊現場。

写真を撮った時にはすでに片付けがはじまっていたが、最初に見た時には壁面から2メートルくらい遠くまで飛び出していた。まるで大砲で大きな石を撃ち出したかのような、想像を絶する光景だった。

[熊本大地震]石垣が横に飛び出すほどの力

この石垣は自然石を四角錐に切り出した間知石(けんちいし)を組み合わせて積まれたもの。コンクリートやモルタルで裏込めしていないところから、熟練の石工によって積まれたかなり堅固なものだったと考えられる。(石と石が噛み合うように積むため、コンクリートなどで裏込めしたものよりも強いとすら言われる)

住宅の被害調査に来ていた建設コンサルタントの人に聞いてみた。間知石が真横に飛ぶようにして石垣が壊れているのは、いったいどんな力が働いたということなのでしょうか?

「上からの力がそれだけ強かったということでしょうね」

上から強い力がかかり、50kgほどの間知石を真横に押し出した――。家屋が横倒しというより、垂直方向に潰されている状況とも合致する。

この地震がどのようなものだったかは、多くの研究や考察を待たねばならないが、これまでの地震とは異なる性質を持っていた可能性がありそうだ。