10月20日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
2,3号機格納容器のガス管理設備を停止して配管の鋼管化作業。作業開始は10月20日午前9時5分から
※2号機および3号機原子炉格納容器ガス管理設備については、信頼性向上を目的に、配管の一部に使用しているフレキシブルチューブおよび樹脂製ホースの鋼管化作業を行う。
当該作業では、必要に応じて設備の停止となるので、設備停止中は特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子炉施設の保安」(以下、「実施計画」という)第1編第24条の表24-1に定める運転上の制限「原子炉格納容器ガス管理設備の放射線検出器が1チャンネル動作可能であること」を満足しない状態となることから、実施計画第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用し、計画的に運転上の制限外に移行して作業を実施する。
2号機原子炉格納容器ガス管理設備については、10月20日午前9時5分から作業を開始。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中。
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
※高性能多核種除去設備は、H8タンクエリアのストロンチウム処理水の処理を完了したことから、8月26日午後7時37分、一度同設備による処理を停止。今後H8タンクエリアにストロンチウム処理水がある程度貯水された時点で、処理再開予定。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月9日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、(既出)
10月20日午前10時9分に海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時31分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算86回目)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日10月8日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
地下水バイパス 21日の排水から旧C排水路を利用。原因は荒天による大量の土砂の流入・堆積というが
※荒天により外洋から地下水BPの排水先端末へ多量の土砂が流入・堆積し、地下水BPの排水に影響を与える可能性があることから、排水先を現在の場所から南側へ約160m移動し10/21の排水から旧C排水路へ切り替え。
写真は初めて地下水バイパスの排水が実施された昨年5月のもの。現在はコンクリートの境目あたりにK排水路からの水を貯める堰が設置されているはずだ。
「排水先端末へ多量の土砂が流入・堆積」という状況が想像できない。ノズルの中まで土砂が入るような悪天候があったのか、あるいは水路に土砂が堆積し、地下水バイパスから排水した水が堰を越えて上流側、K排水路からの溜り水に流れ込む可能性を懸念しているのか……。現状の写真公開が待たれる。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月19日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18
E-1 17,000 17,000 11,000 9,500 8,200 6,800 7,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18
G-1 1,500 1,200 1,300 740 2,700 890 3,100
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18
G-2 590 600 530 510 510 440 440
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.3-4のトリチウム、3,4号機取水口間の全ベータが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。