10月12日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1~6号機
日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月11日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10
E-1 2,000 43,000 34,000 29,000 ※ 23,000 19,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
※:悪天候により採取中止
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10
G-1 1,500 1,200 1,000 950 ※ 1,900 1,300
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10
G-2 800 640 600 600 ※ 790 620
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
※:悪天候により採取中止
1~4号機タービン建屋東側 4号機スクリーンの全ベータが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
<過去最高値>4号機スクリーン
全ベータ:1,500Bq/L(2015.10.11)
これまでの最高値:1,200Bq/L(2015.06.01/08.10)
【注目点】サンプル採取されたのは9月22日に閉じられた海側遮水壁の内側にあたる。鋼管矢板が閉合された後も、遮水壁の陸側には海水が残されているということになる。この汚染された海水は「地下水ドレン」で汲み上げられることになるのだろうか?
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水を実施。排出量は778トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月1日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることから、10月11日午前9時47分より海洋への排水を開始。
(既出)
その後、午後3時8分、海洋への排水を停止。排水量は778m3。
地下貯水槽
日報に新規事項の記載なし
1~3号機放水路
日報に新規事項の記載なし
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
今回の分析については、前回と比較して優位な変動は確認されていない。
【福島第一原発から約10kmに位置する気象庁のアメダス「浪江」の気象データ】
10月12日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 23.5℃、最低 9.5℃ 日照時間 8.7
最大風速 4.1 南東 最大瞬間風速 7.8 西南西
10月11日の降水量合計は0.5mm 1時間最大降水量は0.5mm 10分間最大は0.5mm
気温は最高 21.2℃、最低 13.1℃ 日照時間 0.0
最大風速 7.1 西 最大瞬間風速 13.5 西
10月10日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 24.6℃、最低 9.6℃ 日照時間 4.6
最大風速 3.3 西 最大瞬間風速 6.9 西
●最大風速とは10分間の風速の平均値である平均風速のうち、その日最大のもの。瞬間最大風速は、文字通り瞬間ごとの風速の最大値。
●●10分間の平均風速が10メートルを超える場合には、クレーン作業など屋内作業を停止しなければならない場合がある。