ラグビー日本代表のWTB山田章仁が、チームでリカバリーのために海に入った時に毒魚に刺されて第2戦を欠場したと伝えられました。
チームは26日、午前10時から1時間ほどの練習を行った。山田は、南アフリカ戦の翌日にリカバリーのためチーム全員で海に入った際「ウィーバー・フィッシュ」と呼ばれる魚に左足薬指を刺されたと話す。トゲが残らないよう軽く切開もした。縫うほどではなかったといい、「(患部は)テープで巻いてあった」と話した。
山田によれば、「石で切ったような痛み」のあと、急激に痛みがひどくなって指が腫れ上がったという。靴を履けるようになったのは2日前で、それまでは左足はサンダルを履いて生活していた。「もう海は絶対入らない。人生でも、もう入らないかも。めちゃくちゃ痛かったしタイミングもあったから」と苦笑いで話した。
初戦の大金星で、当日の夜から翌日は祝福メールがたくさん届いたという。「個人的にいただいた連絡には全部返しました。足の指は動かなかったけど手の指は動いたので」と冗談交じりに話した。小魚に刺された自身をラグビーにたとえ、「サイズは関係ないということですね」と周囲を笑わせた。
そこで、問題は「ウィーバー・フィッシュ」という魚が何者かということ。気になるでしょっ?ウィーバー・フィッシュと日本語で検索しても、めぼしいものが当たらないから、英語で画像検索してみると何と、日本でも有名なお魚とそっくりなのがヒット!
山田選手を第2戦欠場に追い込んだのは、こいつだった!(かも)
こやつらオコゼの仲間は、猛毒の魚としてダイバーや釣り師の間では有名な存在。
頭は扁平で、砂泥の中に目だけ出すように潜っていて、泳いでくる小魚をバグッとひと呑みにする海のギャング。そして前側の背びれの刺には毒を持っている。間違って踏んづけたりしようものなら、毒刺が刺さって大変なことに!
とくにこいつの仲間のダルマオコゼや、小さくて金魚みたいなハオコゼの仲間は、人を死に至らしめるほどの猛毒があると知られておりまする。
ところで、英語サイトの「weeverfish」によく似たミシマオコゼだが、その名の由来は東海道五十三次の三島宿に由来するのだとか。ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑にはこんなふうに記されているんですね〜。
「三島」とは東海道の宿場三島(現静岡県三島市)をのこと。この宿場の女郎衆が醜悪でみだらなところからついたという。参考/『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版
醜悪であるのみならず、みだらだなんて……。だからヤジさんキタさんも三島じゃ大変な目に遭っておったそうですからな。
この名前の由来に関しては、いろいろとご意見もあろうが、醜悪でみだらなミシマオコゼは、食べるとなかなか美味しいお魚なのだという。白身のさっぱりとした味わいで、刺身はもちろんチリにしてもフグに迫る美味なのだとか。
刺されただけじゃ悔しいから、山田選手、いっそこやつをひっ捕まえて食べちゃえばよかったかも。きっと傷の治りも早かったかもね。
というわけで、ラグビー日本代表を応援しつつ、秋の釣りシーズン、毒魚と三島の遊女にはご注意をとの一席でありました。