8月20日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
放射線データ全数公開開始
滞留水移送の自動運転装置を本格運用開始
※現在、滞留水移送装置は運転員が移送ポンプを現場で手動操作して移送しているが、建屋滞留水の水位制御の向上や運転員の被ばく低減等を目的とする自動運転*1の滞留水移送装置の1~4号機各建屋(タービン建屋、原子炉建屋、廃棄物処理建屋*2)への設置が完了したことから、7月30日午前10時より3週間程度かけて、実際の建屋滞留水を用いた系統性能試験(通水試験)を実施。試験開始後の移送状況については、屋内および屋外パトロールを実施し、漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、8月20日午前10時44分、移送装置が正常に動作することを確認できたことから、系統性能試験(通水試験)を終了。今後、各ポンプの流量調整等を行った後、当該装置の本格運用を開始。
*1 自動運転:各建屋滞留水移送の開始/停止を判断するためのしきい値(水位高/水位低)を設定し、移送ポンプの起動/停止を自動制御させる。
*2 1号機廃棄物処理建屋を除く、2~4号機廃棄物処理建屋
1~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年8月11日午後6時32分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス揚水井No.10分析結果(8月20日)
地下水バイパス揚水井一時貯留タンクの評価
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
8月19日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所は確認されなかった。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H6エリアG-2のトリチウム濃度が3,500ベクレルを記録するも、過去の変動域内であり、降雨の影響と推測
H6エリア周辺地下水(G-2)のトリチウム濃度が3,500Bq/Lと、前回値(8月17日採取分:230Bq/L)と比較して、上昇していることを確認されたが、過去の変動範囲内であり、これまでも見られている降雨の影響と考えている。
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 8/11 8/12 8/13 8/14 8/15 8/16 8/17 8/18
G-2 210 290 170 2,400 3,400 580 230 3,500
浪江雨量(mm) 0.0 2.5 19.5 7.0 1.0 2.5 21.5 0.0