6月8日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
側溝内に設置された耐圧ホースからの汚染水が漏洩の続報。K排水路排水口6月7日採取の測定結果
K排水路排水口の放射性物質濃度(採取日:6月7日)については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。また、港湾口連続モニタの値に有意な変動が確認されていないことから、外洋への影響はないものと考えている。引き続き、監視を継続する。
近隣の気象庁観測ポイント「浪江」の気象データでは、
6月6日の降水量合計は9.5mm
6月7日の降水量合計は0.0mm
たしかに雨が降らなければデータが低下する傾向があるようにも見える。
2号機プール冷却を停止。再運転予定は記されず
※2号機使用済燃料プール(以下SFP)代替冷却系について、SFP代替冷却系の計装品点検を行うため、6月8日午前6時19分に停止。冷却停止時のSFP水温度は22.1℃。
2号機SFP代替冷却系停止時のSFP水の温度上昇率は0.138℃/hであり、停止中のSFP水温度上昇は最大で約9℃と評価しており、運転上の制限値65℃に対して余裕があることから、SFP水温度の管理上は問題ない。
停止中の水温上昇が最大9℃との見込みは記されているものの、プール冷却が再開される予定についての記載はない。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月5日午前11時19分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月5日午前11時30分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系停止中
共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「停止中」
・セシウム吸着装置停止中
その他の項目に新規事項なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月7日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>
4月21日採取 15,000Bq/L
4月22日採取 8,300Bq/L
(中略)
6月1日採取 4,900Bq/L
6月2日採取 5,400Bq/L
6月3日採取 5,500Bq/L
6月4日採取 5,100Bq/L
6月5日採取 5,100Bq/L
6月6日採取 4,900Bq/L
<H4周辺地下水E-9の全ベータ値>
5月18日採取 1,200Bq/L
5月20日採取 20,000Bq/L
5月22日採取 13,000Bq/L
5月25日採取 16,000Bq/L
5月27日採取 4,000Bq/L
5月29日採取 5,100Bq/L
6月1日採取 2,600Bq/L
6月3日採取 2,900Bq/L
6月5日採取 5,400Bq/L
※ E-9の測定データはなし
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。
3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
6月1日採取 140Bq/L
6月2日採取 160Bq/L
6月3日採取 140Bq/L
6月4日採取 200Bq/L
6月5日採取 200Bq/L
6月6日採取 160Bq/L
※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)
<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
(中略)
6月1日採取 210Bq/L
6月2日採取 230Bq/L
6月3日採取 220Bq/L
6月4日採取 290Bq/L
6月5日採取 230Bq/L
6月6日採取 130Bq/L
※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。
<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇
4月27日採取 400Bq/L
4月28日採取 200Bq/L
(中略)
6月1日採取 220Bq/L
6月2日採取 320Bq/L
6月3日採取 290Bq/L
6月4日採取 300Bq/L
6月5日採取 340Bq/L
6月6日採取 270Bq/L