2015年3月19日 今日の東電プレスリリース

1号機炉心に核燃料なし。メルトスルーが視覚的に確認される

3月19日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

ミュオンによる原子炉の透視調査、1号機分の速報。炉心に核燃料なし

東京電力は3月19日、報道配布資料として「原子炉内燃料デブリ検知技術の開発1号機測定結果速報」を発表。2月12日以降、3月10日までの26日分の測定データを元に行った評価内容が明らかになった。

「原子炉内燃料デブリ検知技術の開発1号機測定結果速報|東京電力 平成27年3月19日」より

○原子炉圧力容器内で、元々核燃料がセットされていた炉心部分には燃料の塊(1mを超えるような塊)は存在しない。

○原子炉圧力容器の炉心部には水は溜まっていない可能性が高い。

○使用済み燃料プール(SFP)には燃料があると推定される。

これまで東京電力がパラメータなどから推定してきた状況にも合致する結果となったというが、つまり、1号機では炉心の燃料のほとんどが圧力容器を突き抜けており格納容器の底か、あるいはさらに下まで達していることが確認されたことになる。

2号機海水配管トレンチからの滞留水移送を停止

※2号機海水配管トレンチの立坑Aおよび、立坑Dの滞留水については、グラウト充填工事に伴い、滞留水水位の上昇が予測されることから、3月18日午前10時4分より、2号機タービン建屋に移送を開始し、(既出)

同日午後0時6分、同移送を停止。移送中および移送後、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月19日

6号機燃料プール冷却浄化系の弁G41-F042Aを分解点検へ。G41-F042Bの水漏れ対策の水平展開

平成26年7月11日に発生した6号機燃料プール冷却浄化系の弁からの水漏れを受けて、平成27年1月、該当する弁「G41-F042B」の分解点検が行われた。この弁に類似した「G41-F042A」について分解点検を実施する。点検に当たって、燃料プールの水位を弁より低いところまで下げるとの報告。

※6号機燃料プール冷却浄化系(以下、「FPC系」という)プール入口弁(G41-F042B)からの漏えいの水平展開を目的に、類似弁であるFPC系プール入口弁(G41-F042A)(以下、「当該弁」という)の分解点検を3月19日から3月20日(作業予定時間:24時間)にかけて実施する。

分解点検は、FPC系を停止して実施するが、当該弁は使用済燃料プール(以下、「SFP」という)の通常水位以下に設置された弁であること、また点検のため隔離する弁がないことから、点検可能な位置までSFP水位を低下させ作業を実施するため、

特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子炉施設の保安」(以下、「実施計画」という)第2編第55条の表55-1で定める「使用済燃料プールの水位」の運転上の制限「オーバーフロー水位付近にあること」を満足出来ない状態となることから、3月19日午前10時7分、実施計画第2編第74条第1項(予防保全を目的とした保全作業を実施する場合)を適用し、計画的に運転上の制限外に移行し、点検作業を開始。

当該点検作業に伴い、FPC系を3月19日午前10時22分に停止。

なお、FPC系停止時のSFP水温度は18.0℃であり、冷却系停止時のプール水温度上昇率は0.269℃/h、SFP水温上昇は最大で約7℃と評価しているため、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、SFP水温度の管理上は問題ない。また、点検作業期間中は、SFP水温度および水位を常時監視しながら作業を実施する。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月19日

1号機 ~タービン建屋から1号機廃棄物処理建屋への高濃度滞留水移送を停止

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

加えて、

・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(平成27年3月18日午前6時25分~3月18日午後6時28分)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月19日

滞留水移送が実施された時間は12時間3分。

※滞留水移送は停止中

2号機

新規事項なし

1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月2日午前10時25分~)

※滞留水移送は実施中

3号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開。移送先はプロセス主建屋

1号機と同じ4項目に加え、

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月19日午前10時38分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月19日

※滞留水移送は実施中

1号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「運転中」