1月24日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成27年1月18日午前10時21分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算45回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,850トン
平成27年1月23日午前10時9分、海洋への排水を開始。同日午前10時16分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
同日午後5時24分に排水を停止。排水停止状態において異常のないことを確認。排水量は1,850m3。
地下水バイパス ~揚水井の分析結果(1月22日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成27年1月23日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路~極めて高濃度の汚染を示している1号機放水路立坑の測定結果(1月22日採取分)
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
過去3回分との比較
◆(1月13日採取)→ (1月15日)→ (1月19日)→ 最新(1月22日)
<1号機放水路立坑水(上流側)>
セシウム134: 3,300 Bq/L → 3,300 Bq/L → 3,200 Bq/L → 3,100 Bq/L
セシウム137: 11,000 Bq/L → 11,000 Bq/L → 11,000 Bq/L → 11,000 Bq/L
全ベータ: 15,000 Bq/L → 15,000 Bq/L → 14,000 Bq/L → 14,000 Bq/L
トリチウム: 620 Bq/L → 590 Bq/L → 660 Bq/L → 630 Bq/L
<1号機放水路立坑水(下流側)>
セシウム134: 480 Bq/L → 370 Bq/L → 440 Bq/L → 470 Bq/L
セシウム137:1,500 Bq/L → 1,100 Bq/L → 1,600 Bq/L → 1,500 Bq/L
全ベータ: 3,200 Bq/L → 2,800 Bq/L → 3,600 Bq/L → 3,400 Bq/L
トリチウム: 1,200 Bq/L → 1,300 Bq/L → 1,400 Bq/L → 1,500 Bq/L
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年1月24日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
1月23日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水での最高値は「iの北東側」で280Bq/Lに上昇(前日は150Bq/L)。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での81,000Bq/L。「iiの北東側」で6,400Bq/L。「iiiの北東側」で12,000Bq/L。「iiiの南西側」で11,000Bq/L。(ともに全ベータの値)