実はかれこれ15年近くスキーに出かけていない。最後に滑ったころは、カービングスキーというものが普及している時期で、スノーボーダーを横目に日本ではマイナーな存在だったVolklの板でロングターンをしていたものです。久しぶりにスキーをしたい。ということは道具も新調しないとダメかな?と思い、近頃のスキーマテリアルを物色してみた。
ロッカー?何それ?激しいの?
最近のスキー板のトレンドは「ロッカースキー」というらしい。ええ、ロックなら散々聴いてきました。キッズロックからグラムにメタルまでそりゃなんでも。スキー場に向かうクルマの中ではボリュームあげてガンガン聞いていました(もちろん大声で唄ってました)。そういえば、パンカーさんって先輩もいたな。鎖ジャラジャラつけたパンクロッカーでした。懐かしい。で、ロッカーっていうからにはさぞエクストリームな感じなのかと思ったらどうも違うらしいです。神様ステンマルク時代を経て、僕らのヒーローはトンバやオーモットだった。長く剛性感のある板を鍛えぬいた両足で撓ませ、奔らせ滑っていくのがトレンドでした。当時は「メーター」の板を数本担いでゲレンデに行っていったものです。そこに登場したのは「カービングスキー」だ。自分の背丈ぐらいの板でしなやか。ウエストのシェイプされた板は、まるで雪面に吸いつくようで雪面をクルージングするにはご機嫌な板でした。そして2013年。カービングスキーにとって代わる勢いで普及し始めているのが「ロッカースキー」らしい。
それまでの伝統的なスキーとカービングスキーとの大きな違いはサイドカーブにありました。スキーを撓めた時に接雪面の弧がターンの容易さに繋がるというものでした。ロッカースキーはさらに進めたもののようで、これまでは弧を作り出すために「撓めて」いたスキー板が初めから撓んでいる形になっている。だからいつも通りに撓めるとさらに撓んだ状態になるというものらしい。
回転性が向上するから取り回しが楽になる
新雪やコブ斜面ではスキーの板を回すのは結構大変。新雪ではスキーのトップが雪の中に埋もれがちなので抵抗が大きく方向を変えにくい。また、コブのてっぺんでは簡単に回せるが、ポジションが悪い状態でコブに入ってしまうとスキートップが浮いてしまって回らない。結果どうなるかといえば、スキーは重力に逆らうことなく谷に向かう。そう、チョッカッコー、チョカッコー♪になる。スキー板のサイドカーブは、クルマで言うところのタイヤみたいなもので、回転性とかグリップ力とかへの影響がとってもある。でもって、スキー板のベント(今はキャンバーって呼ぶらしい)が変化したことにより接雪面が変わったみたい。平らなところにスキー板を置くとべたっとつかないのはご存じの通りで、スキー板の前と後ろで接雪する点が以前よりも短くなった。これもクルマに例えるならばホイールベースが短くなったという感じかな。
だから、ターンの始まりのころ、スキーがまだ撓んでいないころは、まるでショートスキーのように短い板を履いているのと同じで取り回しが非常に簡単。グッと踏み込んでスキーを撓めると回転性のいい弧でエッジが雪面に食い込んでいくというのが、ロッカースキーみたい。たぶん。ということは、モノによってはロングターンだと疲れる板なんじゃないかな。いろいろとバリエーションもあるようなのでスキー板買うのも大変だ(笑)。
すっかり筋力も落ちてきてしまったから、そろそろ加水分解で割れるだろう古いLANGEのブーツとあわせて道具の新調かな。