"肉じゃが"という料理を考える

つい先日、とある食堂にてこんなメニューを見つけた。

その名も"豚肉のにらもやし"

名の通り、豚肉とにら、もやしを炒め合わせた料理なのだが、注目すべきはその料理名だ。

豚肉のにらもやし、ただ材料名を羅列しただけではないか…。料理名としてまったく成立していない。

豚肉のにら燃やし、と脳内変換してみる。でも燃やしという言葉をつけるとじつに不味そうだ。なんていうか愛を感じない。

思うに、燃やすというのはモノを雑多に火に投げ入れる行為そのものに向けられている気がする…がそんなことはどうでもいい。

そんなことを考えていると、僕の脳裏にある料理が浮かんだ。

…"肉じゃが"も材料名羅列しただけじゃね?

なんということだ。今まで日本人のお袋の味として我々の舌に馴染んできた肉じゃがが、

にらもやし程度のクオリティの名前だったとは。

これはいけない。

正式名をつけるとするならば、"牛肉とじゃがいもをはじめとする各種野菜の和風しょうゆ煮込み”ではないのか。

でもこれ言いにくいな。

まるで格調の高いレストランのメイン料理みたいだ。

そこで僕は"肉じゃが"という名前を、"牛肉とじゃがいもをはじめとする各種野菜の和風しょうゆ煮込み"の略称と再定義することにより、

この論争に終止符を打った。