バス業界の新たな一手？
ゴールデンウィークに残念な事故が起こったバス業界。その安さから右肩上がりだった需要も、事故後、「例年と比較し数％利用者が減った会社もある」と報道され、業界として信用が揺らいだと言って間違いないだろう。 それでも、”格安”であることに変わりは無く、今なお会社によっては「大阪～東京間が最安2200円～」と、圧倒的なコストパフォーマンスを見せている。事故後の取り組み改善もあり、長距離バスに関してはどの会社を見渡しても乗組員2名以上の体制となった。ツアー会社、バス会社にとっては人件費問題もあるが、それでもしばらくはこの”格安”が続く見通しだ。
体感型アトラクションバス『STAR FIGHTER』
そんな中、貸切バス事業最大手・WILLER TRAVEL（ウィラートラベル）が、新たな試みとして、一風変わったツアーを企画したようだ。
その名も『STAR FIGHTER』。「体感型アトラクションバス」と銘打ったそれは、ホームページを見る限り、まるでスターウォーズのような世界観である。宇宙船のような凝った内装のバスに乗り込み、用意された”設定”を楽しむという、まさにバスそのものがアトラクションだ。見たところ、ユニバーサルスタジオジャパン（ＵＳＪ）にありそうなアトラクションの雰囲気を感じるが、実際に街中を走行し、要所へと連れて行ってくれる点は独特で面白い。「未来の旅行会社・WILLER-X社により開発された『STAR FIGHTER』の乗組員として搭乗し、新発見されたという謎のクリスタルを探す」という凝った設定も好きな人にはたまらないだろう。 行き先別に5種類のプランがあり、時間帯別に9パターンから選ぶことが出来るため、子供だけでなく、学生や会社帰りの大人まで幅広く参加出来るようだ。「トレジャーハンティングを楽しみながら、夏休みのファミリーに向けた筑波宇宙センターで実際に宇宙飛行士が行っていた施設での模擬訓練が体験できるプラン」や、「お台場にある日本科学未来館とセットになったプラン」、「宇宙デートを満喫するホテル日航東京の食事とセットになったプラン」など、趣向の凝らしたツアーが容易されている。値段も1人あたり1800円～6000円と、家族や恋人と過ごすにも決して高すぎることは無い。 （行き先の入館料込み、食事代は別途）
バスは安全第一が基本である。それでも、バスに乗るならば、安いに越したことは無いのかも知れない。けれど、”お買い得”ばかりでなく、このような”付加価値”でバスに乗る機会が増えるのも面白いと思う。ぜひWILLER TRAVELには、業界最大手として新たな需要を掘り起こしてほしい。
※ツアーは最長のもので8月1日～9月30日まで。詳しくは下記ＨＰ参照。
◇参考ページ◇
（公式ＨＰ）「体験型アトラクションバス『STAR FIGHTER』」（WILLER TRAVEL公式ＨＰ内）