カンボジアにあるベンメリア遺跡は、アンコール・ワットの約40km東の森にある寺院です。実はこの遺跡、スタジオジブリの人気アニメ『天空の城ラピュタ』のモデルではないかと噂されています。
密林の中にひっそりと眠り、静かなたたずまいを見せる巨大寺院。原型をとどめないほど崩壊がひどく、ほとんどが瓦礫の山と化し、廃墟の感を強く漂わせています。11世紀末~12世紀初頭の造営と推測され、環濠幅は約45m、周囲4.2kmと規模はやや小さいものの、アンコール・ワットのモデルとして計画されたと言われます。
あの地平線、輝くのは~♪
熱帯樹が遺跡全体を覆って建造物のいたるところに根をのばし、熱帯樹の倒壊に伴って建造物が無惨に倒壊してしまったそうです。このあたり、ラピュタ城の中枢にある巨大な飛行石が格納されている部屋に似ている気がします。ムスカ大佐が木の根を蹴散らしながら前進する絵を想像できます。
ついにラピュタにたどり着いたんだー!
遺跡には野生の虎や象が出没するため、修復が進まないまま森にひっそりと埋もれていました。寺院の屋根の上や瓦礫の間を飛んだり跳ねたりよじ登ったりしながら見学できるそうです。主人公のパズー少年が、ラピュタ城を探検しているシーンを思い出しました。
ハハハッ!どこへ行こうというのかね?
ベンメリアは失われた古代都市というような雰囲気を漂わせています。ヒンズー教寺院として建造されましたが、仏教のモチーフをあしらった彫刻が多く確認できます。このベンメリア寺院とアンコール・ワット、そしてコンボンスヴェアの3つの寺院は一直線上にあり、往年は北西にあるクレーン山、北東のコーケーへの交通の要所として栄えたと言われています。
バルス!繁茂する樹木のために辺りは暗くて重々しく、崩れかけた寺院の回廊内を歩くのは不気味です。最近は観光客が増えたとはいえ、遺跡内には残存地雷があります。安全確保のために足場が築かれていますが、指定のコースから外れると危険です。野生のトラや毒ヘビにも注意しながらの遺跡めぐりは危険ですが、秘境中の秘境はまさしくアドベンチャーワールド。ラピュタの世界を体験できるのはないでしょうか。
【現地情報】
・ 開門時間 6:00-17:00 無休・ 入場料5ドル
・ ゲート前に売店、レストラン有り