【わかるコトバ・わからんコトバ】子宮頸がんなど小児3ワクチンの定期接種

産経新聞≪定期接種化へ調整 子宮頸がんなど小児3ワクチン≫(2012年5月18日)によると、

若い女性で増えている子宮頸(けい)がんなど小児用の3ワクチンについて、厚生労働省が平成25年度から定期接種の対象とする方向で調整していることが17日、分かった。

悪い話ではなさそうだ。でもさらっと説明されてもピンとこないのが、定期接種 というコトバ。

調べてみると、子宮頸がん予防ワクチンとして現在公費助成の対象となっている「サーバリックス」と「ガーダシル」はどちらも3回の接種が必要というから、定期接種とは何度もワクチンを接種することなのかと思ったら、ぜんぜん違っていた。定期接種というのは予防接種法で市区町村長の責任で接種することが定められているもの。対象となっているのは、ポリオ、麻疹、風疹、ジフテリア、日本脳炎、BCGなど。子育て経験のある人なら、聞き覚えのある感染症名だろう。

定期接種に対するコトバとして任意接種というものもある。これはわが国で接種することができる予防接種で定期接種以外のものを言い、インフルエンザ予防接種やA型肝炎、B型肝炎、コレラ、狂犬病、おたふく風邪などが該当する。違いは何かというと、予防接種を受ける費用や、予防接種によって健康被害が生じた時の対応が違うということ。

早い話、定期接種の「定期」というのは、利用者にとっての「定期」ではなく、お役所として定期的に行う予防接種といった程度の意味らしい。厚労省は、子宮頸がんワクチンのほか、細菌性髄膜炎を引き起こす小児用肺炎球菌とインフルエンザ菌b型(ヒブ)についても「任意接種」ではない「定期接種」にするための制度見直しを検討しているという。

【つついてみたい重箱の隅っこ】新聞によると、23日の予防接種部会で方針をとりまとめた上で、今国会での改正予防接種法案の提出を目指しているというが、いまの国会のあり様では審議ができるのかどうか不透明。もしも成立しなければ、本年度まで公費助成で行っている上記3ワクチンの来年度の予防接種が滞るおそれもある。