いかにも日本的ないぶし銀企業NSKがなぜ?

日本精工株式会社とは

日本精工株式会社(にっぽんせいこう、NSK Ltd.)東証6471

日本を代表する精密機器メーカー。軸受、自動車関連製品、精機製品を製造、販売する。資本金は671億円、2011年度の売上高は7,104億円(NSKのホームページによる)。

主な製品は、

○回転軸の摩擦を軽減し、省エネルギーに貢献する「ベアリング」○ベアリングをらせん状に伸ばしたものと考えることができる「ボールねじ」(回転運動を直進運動に変換し、高い位置決め精度を実現する精密部品)

○さらに高度な位置決めを行う「リニアガイド」など。いずれも世界トップクラスのシェアを誇る。

NSKの特徴は、シェアが高いことだけでなく、品質面で世界トップクラスとの評価が高いことである。同様の製品であっても、NSKでなければ作れないと評価される製品を多数有している。

4年前に聞いた自信にあふれる言葉

この分野でも中国製品の追い上げは著しい。圧倒的な価格攻勢でNSKなどの日本勢が仕事を奪い取られることも数年前からは目立ってきたという。

しかし4年ほど前にNSKの経営幹部に話を聞いたところ、「価格だけで一時的に顧客を奪われることがあっても、品質面の歴然とした差から、すぐに顧客は戻ってくる」という自信にあふれた言葉を語っていたのを鮮明に覚えている。

なぜNSKが

そんな優良企業が主力のベアリングを巡って、NTN(大阪)、ジェイテクト(愛知)、不二越(富山)との間で価格カルテルを結んでいた疑いが強まったとして、4月20日、東京地検特捜部から独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で家宅捜索を受けた。特捜部は押収資料を分析してカルテルの実態を解明、担当者を立件する方針という。

業績面のみならず、企業文化という側面から見ても、きわめて自尊心の高い、いかにもモノづくりニッポンを代表する企業NSKが、どうしてカルテルという子供じみた犯罪に走ったのか(現在は疑いがあるという段階だが)。今後の捜査でそのストーリーの全容が明らかになることに期待したい。

◇関連ページ◇ 日本精工株式会社(NSK)のホームページ