近所の出来事

なんでもない、近所の出来事 。平和です。

観光客も散策に訪れる川の下流。カワセミも姿を見せるそのあたりにはベンチが設置されていて、住民の憩いの場所となっている。 65~70歳ぐらいのおばあちゃんたちが3人、食べ物や飲み物を広げて野鳥についての会話をしていた。

A婆 「ほらあの木とあの木の間を何遍も往復してね、あー今日は姿を見せてくれたね」

B婆 「あの鳥、何だっけあれ?」

C婆 「あたしそれ知らない頃にさ、妹に聞かれて“ゴジュウカラ”って教えてやったよ」

A婆 「あれは“アオジ”」

B婆 「そうそう“アオジ”だってねあれは。Aさんは鳥博士だもの、Aさんが言うなら間違いないね」

C婆 「あたし知らないからさ、“ゴジュウカラ”だって(笑)。“シジュウカラじゃないから“ゴジュウカラ”って・・・」

A婆 「あれは“アオジ”」

わたしは通り過ぎながら「Cの婆さん、“天丼”をカマしたな」とほくそ笑んだ。「天丼」とはお笑い芸人が使う言葉で「同じボケを2回繰り返す」ことを言う。「四十でだめなら五十でどうだ」 というベタすぎるボケを繰り出し、2回めはボケについて自ら解説するという禁じ手まで用いるほどC婆さん本人はそのボケを気に入っているようだった。

頑張ったなあC婆さん、と思いながら家に戻り、私がその日見かけた野鳥について調べようと関連サイトを開くと・・・「ゴジュウカラ」という鳥も実際にいるのである。 C婆さんはともかく、鳥博士のA婆さんはゴジュウカラも当然知っていたのか。先ほどのやりとりからは推測できないのだが、少なくともわたしはゴジュウカラの存在をしっかりと知った。