【世界一周の旅 Vol.33】ギリシャを訪れたならば、まずはパルテノン神殿へ

sKenji

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アテネのパルテノン神殿
アテネのパルテノン神殿

人生初のヨーロッパの国、ギリシャ。同国で一番訪れたかった場所がアテネの「パルテノン神殿」です。世界遺産の選定などを行っているユネスコのロゴのモチーフにもなっている世界で最も有名な遺跡のひとつです。

トルコからギリシャへ

ギリシャにはトルコから海路で入りました。トルコ最大の都市・イスタンブールを後にすると、エーゲ海に面する港町(※恐らくクシャダス)へ移動し、船でミコノス島へ渡ったのです。

島では特に何をするわけでもなく、宿でのんびりくつろいでいたり、散歩をしたりするなどしていました。

白い家が建ち並ぶギリシャの島はとても絵になります。それは間違いありません。しかし、今訪れるとまた違うと思うのですが、当時は若い男(※実際の年齢はさておき、少なくとも気持ちは若かったのです笑)が1人で行く場所ではないと痛感しました。

リゾートな雰囲気が溢れる島で見かけるのはカップルや家族連ればかりで、単身旅行の私はまるで南国のビーチに1人でいるような気分になったのです。

きっと、誰かと一緒に行っていたならば、もっと長居をしていたと思うのですが、苦痛に近い孤独感も覚えたため、当初考えていたよりも足早にアテネへ移動したのでした。

パルテノン神殿が建つアクロポリス

パルテノン神殿の隣に建つアテナ古神殿
パルテノン神殿の隣に建つアテナ古神殿

アテネに着いて向かったのが、古代ギリシャ建築の最高峰と言われるパルテノン神殿があるアクロポリスです。

アクロポリスは古代ギリシャの聖域で、アテネの市街を見下ろす高さ70メートルほどの丘の上に広がっています。周囲はおよそ800メートルほどで、中心付近にパルテノン神殿が建っています。

神殿は古代ギリシャが最盛期を迎えていた紀元前432年に完成しました。当時のギリシャはポリスと呼ばれる都市国家がいくつもあり、なかでもアテネはスパルタと共に代表的なポリスでした。

その頃のギリシャは都市国家が連合して、大国ペルシアと数度に渡って戦争を繰り広げています。その3回目の戦いにおいて、アテネの活躍によりペルシア軍を退却させたことから、アテネはペルシアの再侵攻に備えて結成されたデロス同盟の盟主となりました。パルテノン神殿はこの同盟の資金も流用して建設されたのではないかと考えられています。

15年の歳月を費やして造られたパルテノン神殿はその後、ギリシャがローマ帝国、オスマン帝国などの支配下に入ると、モスクなどに改造されてしまいます。

支配者が変わってもパルテノン神殿は使われ続けましたが、17世紀、トルコと争っていたベネチア軍の砲弾が命中して廃墟と化してしまいました。その後は長らく放置されていたものの、1834年に修復が開始され、いまなお工事が続けられています。

アクロポリスの丘は3方が切り立った崖となっており、西側からのみ上っていくことができます。

「ブーレエの門」と呼ばれる入口から入り、丘の上に出ると大理石の神殿が建っています。神殿の柱は上部を細くしたり、内側に僅かに傾けられているといいます。これは、人間の視覚効果も考慮に入れて、均整のとれた姿に見えるように設計されているそうです。

私が訪れた時、足場が組まれて工事が行なわれており、現代的なものも目についてはしまったものの、憧れの建築物を前に古代ギリシャに思いを馳せることができました。

ソクラテスも議論をした市民生活の中心地であるアゴラ

ローマ時代のアゴラ
ローマ時代のアゴラ

アクロポリスの丘の麓には「アゴラ」があります。アクロポリスが精神の中心であったのに対し、アゴラは「人の集まる場所」を意味し、生活の中心です。ここで、市民は買い物や情報交換などをしていたと言われています。

古代ギリシャにはアルキメデス、ピタゴラスなどの数学者や、歴史の父とも言われるヘロドトスのほか、詩人など数多くの偉人がいます。なかでも哲学においては後世に大きな影響を与えた人物も多く、ソクラテス、プラトン、アリストテレスといった哲学者もいます。彼らもこのアゴラで討論などをしていたというのです。まさに歴史を感じることのできる場所です。

古代ギリシャのアテネは政治制度も画期的なものでした。中学校の授業でも習ったことですが、古代ギリシャのアテネでは民主的な政治が行なわれていたというのです。アゴラはその中心だったとされる場所でもあります。

政治への参加は、平民の成年男性に限定はされていたものの、今から2500年以上も前に現代にも通じる制度があったことに驚くと同時に感心せずにはいられません。

ただ、その先進的な制度は一方で、市民がしっかりとした考えや意見を持たない状態で政治に参加したため、皮肉なことにアテネの没落を招いたともいいます。

このような紀元前とは思えない高度な文化や制度が存在したアクロポリスやアゴラは、ぜひゆっくり時間をかけて見学したい場所です。

 〈「【世界一周の旅 Vol.34】独裁者が造った巨大建築物、ルーマニアの国会宮殿」 へ続く〉
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パルテノン神殿

前回の話

 【世界一周の旅 Vol.32】東洋と西洋の交差点にあるイスタンブールから思うこと by sKenji
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